☆ハボアイ本棚☆

□cigarette lighter
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それはある晴れた日の午後のこと。

「リザさん」

不意に後ろから呼ばれて。
名前でだったから知り合いかと思えば全く知らない女性が立っていました。

「あの…?」

今日は久しぶりにもらったお休み。
ハヤテ号を連れてお散歩の真っ最中でした。

「これ。ジャン…ハボック少尉に返しておいて下さる?」

女性がキラリと光る何かを差し出し…

「ライター…?」

手渡されたそれは確かにライターで。
しかも見覚えのあるものでした。

「彼、忘れて帰っちゃって」

どこか勝ち誇ったような、そんな笑顔。
忘れてきた場所が喫茶店だとか、そんな類のところでないことは目の前にいる彼女の表情が語っていました。

「それ、私がプレゼントしたの。大切にしてよって伝えておいて」

そう言い残すと私に背を向けて去っていった女性。

「………」

手の中のライターをじっと見つめていると、下から愛犬のどこか心配そうな鳴き声が聞こえて。

「大丈夫よハヤテ号。ゆっくりお散歩しましょうね」

愛犬に目線を合わせてそう言うと、再び私は歩きだしました。













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