☆ハボアイ本棚☆

□distrust
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「中尉。そのピアス…ずーっとしてるんスね」
「え?ああ、コレ?」

俺はずっと気になっていた。
彼女の耳を飾るピアスがずっと同じなのを。

「どうして俺があげたやつ…してくれないんスか?」
「だって…もったいなくて…」

これだ。

俺と中尉はいわゆる“恋人同士”ってやつで。
お互いの誕生日やイベント時にはプレゼントをあげたりもらったりするような仲だ。
まぁ俺は物をもらうより彼女自身をいただいた方がよっぽど嬉しいんだけど…ってそんなことはどうでもよかった!
どういうわけか彼女、俺がプレゼントしたピアスだけは絶対にしてくれないのだ。
さっきみたいに尋ねても“もったいない”ってあげた意味の全くない返事しかくれない。
他の物は使ってるトコを見せてくれるのに…
それだけがどうしても不満だった。

「今日…家行ってもいいっスか?」
「ごめんなさい。今日はちょっと行くところがあって…」
「俺も付き合います」
「ハボック」

食い下がる俺を同じ男として見かねたのか、大佐が間に割って入った。

「今日は私に付き合え」
「えー?」

思いっきり不満な顔をしてしまい危うく燃やされかかってしまう。

「わ、分かりましたって」

うぅ。嫌いだ、こんな上司…


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