☆ハボアイ本棚☆
□聖夜
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「中尉。大変言いにくいんだが…」
「はい?」
その言葉を聞いてイヤな予感がした。
いや予感というよりも。
確信に近かったような気がする。
「臨時の会議が入ってしまってね。これを明日いっぱいまでにまとめておいてほしいんだ」
いつも書類は中尉から大佐へと流れていくんだが今日は逆。
会議で使うんだろう。
資料をまとめるのは副官である中尉の仕事だ。
だけど!
いくら中尉が優秀でも大佐が渡した資料の数…
今から取りかかったとしても明日一日、夜までかかるだろう。
「分かりました」
でも嫌な顔ひとつ見せず大量の資料を受け取る彼女。
「で。大佐は明日お休みなんですよねぇ?」
これは俺。
嫌みのひとつも言いたくなるってもんだろ?
自分は部下に仕事押しつけといて。
「ああ。悪いんだが…明日の休みは去年から取ってたものでね」
嫌みには嫌みで返してくる大佐もさすがに申し訳なさそうだ。
だって!
明日はクリスマスイブだぜ!?
深夜までの残業決定なんてただのイジメだ。
俺とリザが付き合ってることは大佐だって知ってるのに。
もー俺、当分大佐と口ききたくねー。
って俺が怒っても仕方ないんだけど。