☆ハボアイ本棚☆
□初めての…〜病院編〜
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「ハボックさ〜ん、検温の時間で〜す」
「あ、はいぃ」
はぁぁ。つまらん。
ここに来てから毎日がつまらない。
まぁ仕事も決して“楽しい♪”ってことはないが…
それでもここよりはずっといい。
――あの人もいるし
「はい、これ。脇の下にお願いしますね」
「はーい」
ここ。
セントラルでも一番デカい病院に強制入院させられてから、はや1週間が過ぎようとしている。
どうして俺がこんなところにいるかというと。
単なる俺のヘマなのだ。
あの日はちょうど非番で。
散歩がてら街をぶらぶらしてたら向こうからすごい勢いで走ってくる男が目に入って。
その後ろを中年の女性が必死の形相で追いかけていた。
見ると男の手には明らかにそいつの持ち物ではなさそうなバッグ。
「待ちな」
すれ違いざまに男の腕を掴んだ。
突然引っ張られてバランスを崩し、見るも無残にすっころんだ男。
その隙にバッグを奪うと、ハァハァ言いながら追ってきた女性に返してやった。
「有難う。本当に有難うございます」
あんまり深々とご丁寧に頭を下げられて恐縮してしまい、男の存在を忘れてしまっていたのが悪かった。
「…っのやろー!!!!」
ハッと振り返った時には既に男が拳銃を構えている状態で。