キカイ紳士劇場

□gift
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三姉弟が上忍試験を受けている頃バキはタイミング悪く任務中で、結果発表に間に合わせようと超特急で仕事を終わらせたものの・・・
「ここから里まではどう急いでも5日はかかるな。残念だ・・・ふむ・・・」
バキは溜め息をつき、何かできまいかと考え始めた。
しかし、普段からあらゆる可能性を考えているだけあってひらめきは早々に訪れ、バキは疲れも忘れて軽い足取りで少し前に街で見かけたある場所へとUターンしたのだった。


それから3日後。


三姉弟の元に試験結果の通達が届いた。結果は言わずもがな、三人とも余裕の成績で合格。
お互い顔を見合せ嬉しそうな笑みを浮かべると大広間で茶菓子をつまみながらのささやかな祝賀会を開始した。
「それにしても・・・思ったより余裕だったじゃん」
栗しぐれを頬張りながら得意げに笑うカンクロウに、我愛羅は無表情でツッコミを入れた。
「拷問テストの時(勿論幻覚によるものだったが)お前の声で「きゃあ〜手はやめて〜ピアノが弾けなくなる〜!」とか聞こえて来た時は色んな意味で驚いた・・・」
「全く。試験なんだから真面目に受けろ」
テマリも畳み掛けるように白い目を向け、二人に責められたカンクロウは、当然ながら膨れっ面で反論する。
「俺はいつでも真面目じゃん!咄嗟に浮かんだ言葉が何故かそれだったんだよ」
「何かの見すぎだ。第一、ピアノ弾くような面してないだろお前は。嘘バレバレだっての!」
テマリの鋭い切り返しに、カンクロウは膨れっ面を更にむくれさせて我愛羅にぼやいた。
「あんな言い方しなくてもいいじゃん。なあ?」
「テマリの言ってる事は正しいと思うが」
もみじ饅頭を口に運びつつ我愛羅はトドメの一撃を放ち、カンクロウは大袈裟に嘆いて見せた。
「ひでぇ言い草じゃん!二人とも俺には冷たいよな」
はいはい、とテマリは軽くあしらい、ぽつりと
「それにしても・・・バキ先生がいないのは残念だな」
と呟いた。

小さい頃から教育担当として何かと世話になったバキには、真っ先に合格報告をしたかったのだ。
カンクロウも思いは同じらしく、うんうんと相づちを打つ。我愛羅もどことなく残念そうに茶をすすり、しばし無言の空気が流れた。


静寂を破ったのは玄関の呼鈴だった。テマリが出て行きしばらくして戻ってきたのだが、なんと後ろから大きな箱を抱えた人も一緒だった。流石に我愛羅も目を丸くし、
「なんだそれは。テマリ、何頼んだんだ?」
と声をあげた。
「私のじゃないよ。バキ先生からだ」
「バキからの・・・?」

部屋の真ん中に置かれた箱は三人が入っても余裕がある位大きなもので、三人は顔を見合せると“せーの”で開封した。
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