小説〜A sweetheart only a day〜

□第1章〜ハジマリ〜
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――… 夢を見た気がした………――

…それは一人の女の子が出てきて………あれ?…

……その後のことは思い出せない……――




「――……ドール」

―――…ん?

「…ラドール」

…僕まだ寝ていたいんだけど………
「ラブラドール!」

「…ぅん?……なんだカストルか………おはよう…」
「おはようじゃないですよ、木の根元とか、とにかく外で寝てはいけないと言ったでしょ」
「ふぁ〜ぁ。ごめんカストル……」
「次からは気をつけて下さいね」
「……うん…」


「どうしました?ブラドール」
「…ううん何でもないよ……」
「ならいいのですが…それじゃ私は行きますね」

………本当に何だったんだろうあの夢は………?



「…まいいや、それより花の手入れをしなくちゃ…」



………ん?人の足が見える?僕の庭に誰かいる…?


僕はそっと近づいてみた。そしたらそこには…――

「―……ふみゅ―……」

…な、なんで女の子が…??しかも寝てる…!
たしかに外で寝るのは気持ちいいけど……。


「…あのー、ここで寝たら風邪を引くよ」


「……ぅん………」



それにしても誰だろう?とてもきれいな子だな………。まだ15〜19歳ぐらいかな……?



「………ん?あれ?私寝てた…?」

「うん。ぐっすり寝てたよ」
「あっ!すみませんっ!私ったら、つい……」
「大丈夫。僕もよく外で寝ちゃうから」
「ですよね。草木に囲まれて寝るのって気持ちいいですから………ところで、あなたの名前は?」
「…僕の名前?…僕の名前はラブラドール。君は?」
「私はシャノンといいます」
「…シャノンちゃんか……良い名前だね」

……この子どこかで………?





――これが僕達の出会いだった。

さらさらの茶色の髪をなびかせて、澄んだ瑠璃色の瞳を輝かせながら笑う君を見て僕は…………………恋をしていたのかもしれない……―――――

いや、それより前、僕が“人”として生きていたときから

恋をしていた気がする…………――――

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