さがしもの。

□いってみる。
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「んんーっ!」

引っ越し二日目、ダンボール箱で埋め尽くされた部屋は大方片付いた。
僕は疲れていて、盛大に伸びをする。

「それにしても、この家広いなぁ」

僕の家は普通の一軒家。
一人で暮らす僕にとってはちょっと広すぎる。
まあ、慣れればどうって事も無いか。

部屋の時計を見ると午後三時を過ぎていた。

「次は何をしよう……?」

残りのダンボール箱は小物とかの生活に支障は無いものばかりが入っているだけ。
夜に作業にかかれば今日中には片付くよね。
じゃあ、夜までの時間、何をして過ごそう……?


そう思い立ったのは散歩。
昨日から外へ一歩も出ていないし、町を探索するのも良いかなぁ、と。
僕はすぐ、上着のフードを深く被り、外へ出た。








僕はしばらくの間色々なところを歩く。
迷子にならないのかって?
大丈夫。もう迷子になってるから。

「此処どこだろー?」

宛もなく、ぐるぐる歩き回っている時だった。

「何ここ……? でっかい……」

大きな建物が目に映った。
黄色い稲妻が象徴的。これは装飾なのか、はたまた別のものか。
そういえば、家から見える鉄塔にも稲妻マークがあった気がする。
あ、考えてみれば、ここの地名稲妻町じゃん。成る程、名前だけあるな。

「でも、本当におっきな建物だなー」

何かの会社だろうか?
そう思って僕は目の前にある門に近付く。
あ、なんか書いてある。

「かみなり……もん……」

って読むのかな? でも、僕の気になったのはそこだけではなかった。

僕を通り過ぎる人達は皆、制服を着ていた。

「……!!」

この建物、もしかしてーーー

「らいもん……」

中学校だ。サッカー部が有名で、宇宙人と戦ったとか何とか。
しかし、僕には関係ない。もう学校に通わないのだから。
義務教育? そんなの知ったこっちゃないよ。

「でも……」

でも…………

少し、見るくらいなら良い……よね。

僕は興味本意で門の中へと入っていった。

いってみる。

(サッカーグラウンドへ)
(無論、ルールなんて分からない)



星雫ちゃんが色々と駄目な子になった;

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