ろんぐ
□第1話
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ここは田舎だ。
良くいえば自然豊か、悪くいえばなにもない土地。
毎日毎日同じことの繰り返しで変化なんてない。
それでも満足できる暮らしをしていた。
今日は快晴。
こんな日はなにかいいことがありそうだ。
「なつき、知ってる??今日転校生が来るらしいよ」
学校に着くと親友のひとみが興奮気味に話しかけてきた。
「転校生?こんな田舎に??」
物好きな人もいたものだ。
ここにはほんとになにもない。
交通機関も整備されてないし、学校との登下校だって苦労するほどだ。
「滅多に来ないからこそ、楽しみじゃない??格好いい男の子だといいなぁ」
いま教室はその話題で盛り上がっているようだ。
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