ろんぐ
□第1話
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困ったなぁ。
と、ひとり悩んでしまう。
「オイラのこと、葉って呼んでくれればいいぞ。紛らわしいもんな」
ウェッヘッへと、独特な笑い方。
「……じゃあ、葉くん」
「ああ」
なんだか仲良くなれた気分だ。
「そこ、うるさいぞ」
そのまま話していると、先生に怒られてしまった。
ふたりで小さく笑い、授業に集中し始めた。
だが、すぐにとなりから優雅な寝息が聞こえてきた。
ちらりと横を見れば転校初日から爆睡している葉がいた。
こっそりと笑みを漏らしてなつきは再び黒板に目を移した。
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