ろんぐ
□第4話
3ページ/8ページ
お昼休み。
突然葉がぼやいた。
「そろそろ戻らんといかんなー…」
「「戻る??」」
「そんなにアンナが怖いかい??」
「「アンナ??」」
飛び交うナゾの言葉。
「誰??」
「わたしに聞かれても…」
「アンナはね、葉の許嫁だよ」
「「い、許嫁――!!!?」」
ばっと葉を見ると照れたように笑った。
「わたしたちまだ中学生だよ??結婚とか早くない??」
こういうはなしが好きなひとみもさすがにおどろく。
「麻倉は大きな家だからね。だからこういうことは早めに親が決めちゃうんだ」
「……じゃあ、麻倉くんも??」
「僕??どうだろうね」
すごくすごくなにかがあるであろう笑顔。
なつきは最近思っていた。
ハオはひとみに少し似ていると。
「で、なんで帰らなきゃいけないの??」
「アンナは青森にいたんだけど、少しまえに出雲に来たって知らせがあったんよ。これでオイラが帰らんかったらー…」
そう言った葉は心なしか青ざめているようだった。
.