ろんぐ

□第4話
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お昼休み。

突然葉がぼやいた。




「そろそろ戻らんといかんなー…」

「「戻る??」」




「そんなにアンナが怖いかい??」

「「アンナ??」」




飛び交うナゾの言葉。


「誰??」

「わたしに聞かれても…」




「アンナはね、葉の許嫁だよ」








「「い、許嫁――!!!?」」







ばっと葉を見ると照れたように笑った。




「わたしたちまだ中学生だよ??結婚とか早くない??」


こういうはなしが好きなひとみもさすがにおどろく。



「麻倉は大きな家だからね。だからこういうことは早めに親が決めちゃうんだ」



「……じゃあ、麻倉くんも??」




「僕??どうだろうね」


すごくすごくなにかがあるであろう笑顔。



なつきは最近思っていた。
ハオはひとみに少し似ていると。




「で、なんで帰らなきゃいけないの??」



「アンナは青森にいたんだけど、少しまえに出雲に来たって知らせがあったんよ。これでオイラが帰らんかったらー…」



そう言った葉は心なしか青ざめているようだった。








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