あたしの願いが叶うなら

□12話
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きっと理由があるんだ。

信じないと。
喜助さんのこと。













虚の襲撃から一夜が明け、あたしは朽木さんと朝食を一緒にとることになった。

「今日から、朽木サンと春瀬サンは近くの高校に通ってもらいます。
手続きは済んでいるので、制服を着て行ってきてくださいね」

喜助さんが広げたのは灰色の制服。

「ふむ。
なかなか準備が早いではないか」
「ふふふ。
朽木サンの分も造作なかったっスよぉ」

戸籍のないあたしと死神の彼女を学校に通わせるために、喜助さんは他の人の記憶も書き換えたのだろうか。

「私は今日から一護の部屋に潜り込む。
あの男には死神として働いてもらわなければならないからな」
「そっスかぁ。
ご家族には見つからないように注意したほうがいいですよ」

ご飯を食べ終わり、ごちそうさまを言ってから席を立つ。

「喜助さん。
あたしの制服ってこれですよね?」
「えぇ。
朽木さんのほうが小柄なんでそれが春瀬サンのやつです」
「ありがとうございます」

制服の上下を受けとり、廊下を目指す。
ふすまを開け、廊下を出ようとした時だった。

「春瀬サン、何かありました?」

喜助さんに声をかけられた。

「何か?
なんでもないですよ」

笑顔で答えても、喜助さんは納得がいかないようだった。

「アタシの気のせいだったらごめんなさい。
ただ、春瀬サン元気がないように見えて…」
「やだ喜助さんったら。
気のせいですって!」

手をパタパタ振り、喜助さんに会釈する。

「じゃ、あたし着替えてきますね」

何か言われる前に、早足で廊下に出る。
喜助さんのそばにいたくなかった。
嘘を見抜かれるような気がしたから。











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