D.Gray-man長編
□第6章 ティキミック対面
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「スーマン…!!
生きてる…っよかった助かったんだ!リン、スーマンは助かりました!!」
感極まったアレンがスーマンの肩をトンッと叩いた。
しかし、スーマンに反応はなく叩いた衝撃で体がガクガク揺れる。
「スーマン……?」
必死に声を掛けるが反応はない。突如、スーマンは白い液体を口から垂れ流した。
目は死んだ魚のように焦点が合っていない。
呼吸はしている、脈だって打っている。
−−確かに生きている……
だが……
−−生きてるけど 心が死んでる−−
ふと、アレンは自分の左手が何かを握っていることに気付いた。
掌の中ではスーマンから切り離したイノセンスの原石が光を放っている。
その輝くイノセンスをアレンは鋭く睨みつけた。
「どうして…どうして!!!」
悔しそうにイノセンスに向かって叫ぶと地面近くまで顔を伏せた。
これが咎落ちの結果なのか…
『(助けられなかった)…っ』
結局、イノセンスはスーマンの命全て蝕んだというのか…。
暫くの間、無言の時間が流れた。
「ティムキャンピー、リナリー達を呼んできて」
先にアレンが顔を上げ、ティムキャンピーに告げる
「リン…彼は死んだわけじゃない、生きてるんだ。
この人を家族(ホーム)へ帰そう」
『あぁ…』
しかし、その瞬間スーマンの体に異変が現れた。
上半身を重点に、体内から何かが膨れ上がるように皮膚を押し上げている。
まるで体の中が沸騰しているようにボコボコと泡が立つように。何かが体の中をあばれるように…
そしてその現象に耐えられなくなったスーマンの上半身はパンッという音を立てて、内側から破裂してしまった。
「…!?」
『スー…マン…?』
二人は目を疑った。
スーマンの上半身は跡形なく肉塊と化した。
そして残された下半身も後を追うように血を噴き出しながら地面に倒れ込んだ。
リンとアレンは呆然とそれを見つめる。
返り血が頬を掠った。
「バイバイスーマン」
そんな二人の後方から男の声が聞こえてきた。