また君を探そう
□第0章
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「おい、つるつるてん」。
毎回そうちょっかいを掛けて来る此奴を、私は根から嫌っている訳では無かった。
少し甲高い声、背伸びした生意気な口振り。
彼女に似ている箇所は、いくらでもあった。
「おい、聞いとんのか。」
「煩い、聞こえている。」
小山田という生意気なアシスタントを見る度に、私は彼女を思い出した。
「ほんっま可愛げ無いわー。」
「それはお互い様だ。」
……彼女の方が愛嬌があり、可愛げがあったが。
彼女は私の初恋、淡い思い出。
今まで出会った女性の中で、最も魅力的な女性だった。