恋 〜叶わぬ想い〜

□恋 〜叶わぬ想い〜 弐
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『なんも聞かんことにしとくわ』


数日前に真島から言われた言葉だった。


____それって ていよく断わられたってことだよね___


はっ…短いため息をつく


「なんか 悩みあるの? 」
名前は声がする方に顔を向けた。


___いけない 今谷村さんと出かけてたんだった…____








真島からの断られの返事にヤケになった名前は冴島、城戸、花と韓来で焼肉を食べながら、あまり強くも無いお酒を飲み酔っ払い


くだを巻きながら、花に絡み見かねた城戸が名前を送ったのだ


「名前 着いたぞ お前の部屋何号室だよ」


タクシーの中で、酔っ払いの名前を城戸が介抱する。


目が虚ろな名前は、にへらと笑い


「はーーい 305号室でーーーす 私帰りまーーす ありがとうございます 城戸さん」


ふらふらしながらタクシーから出て、タクシーの中で心配そうな城戸に向かい


「大丈夫です…すみません…ご迷惑かけちゃって」


少しまともな名前を見て、まだ不安そうな城戸だが、


「俺 もう帰るぞ ここまででいいな? 大丈夫だな?」


「はい! ! !苗字名前 全然平気です」


敬礼をする名前
それをみた城戸は、ぶっと笑い じゃ…と言い
運転手に行き先を告げタクシーが名前
から離れる。


角を曲がるまで、タクシーを見送り名前
は部屋へと足を向けようした時後ろから名前に声を掛ける男の声がした。


「こんばんは 名前さん 随分酔っ払っていますけど 平気ですか?」


「…谷村さん…」


名前は何故か谷村を見たとたん、ぶわっと涙が出てきた。


「ううぅぅぅぅ〜」


「ちょっ…どうしたんですか? 名前さん」


慌てて谷村が名前の肩を抱く、ふるふる震えて涙を流している名前が突然…


「気持ち…わるい…は…く うううう」


「わーーー! ! !」










「…ん…」


ブーブーブーとバイブの音で名前が目を覚ます。


「えー? いつのまに私かえって…イタタタタ」


痛む頭を押さえ、ベットから出る。
  

__どうやって帰ったんだろう しかも下着だし とにかくシャワー浴びよ…____


寝室を出ると、リビングのソファーに誰かが寝ていた。
ビクッと身体を揺らし、名前はそっと近づく


そこには朝日を浴びながら、寝ている美青年。
名前は少し見惚れてしまった。


はっと我に帰り、名前は自分が下着姿だったことを思いだし、また寝室に戻りクローゼットからTシャツとジーンズを引っ張り出してきた。


そして、またリビングにもどり谷村を起す。


「た…谷村さん あの…もしもし?」


谷村の身体を揺する、谷村は眉間に皺を寄せそして、静かに目が開く。


___はーーイケメン君は何してもイケてるのね___


思っていた瞬間、谷村が


「おわ! !」


と飛び起きソファーから落ちた。


「おはよう…ございます」


谷村は言った。


「あの…どうして…谷村さんが家に?」


谷村が名前の問いに答えようとするために
体勢を整えた。


「えっと…俺もここのマンションだったんですよ
5階なんですけど…」

谷村はにこりと笑う。
今度は名前が驚く番だった。


「えぇぇぇ〜! ! ! 本当ですか? 階が違うからまったく知りませんでした」


「本当…俺も気づきませんでした」


あはははとお互いに笑い、そして名前はまた、谷村に聞く


「じゃ…なんで私谷村さんを家に上げているんでしよう?」


「あなたが酔っ払って俺の服にゲロをはいて…」


そういえば谷村は、上半身裸だった。
名前は自分がした事に、驚きただただ謝るしかなかった。


「いや…いいんですけど それでその 名前さんが 申し訳ないと泣きながら言って 洋服を洗うといって 俺を家に上げ…服を無理やり脱がされました…」


「あぁぁぁ…」


名前は、痛む頭をまた押さえ崩れ落ちた。
そして自分も脱いだのかと理解した。


しかし問題は谷村の前で脱いだかどうかだった。
名前は意を決して谷村に聞く


「あの…私も目覚めて服を…着ていなかったんですが…その それは…谷村さんの前で…脱いだとかは…ないですよね〜〜?」


アハハハとカラ笑いをして見せるが、谷村はあっけらかんと


「いや…まぁ 脱いでベットに誘われたけど 俺はしらふの女しか抱かない主義だから
だからしらふになった 名前さんを抱くつもり いつか…ね」


___自分がベットに誘うなんて いくら真島さんの事で落ち込んでたからって…ん? 今凄いこと言われたような…____


名前は谷村の顔を見た。


「俺 貴女の事惚れちゃったみたいなんです 
貴女は真島さんの事好きみたいだけど 近いうち俺に惚れさせますから」


とにこりと笑う。
名前は、両手を口元まで持って行き。目を大きく開く…


「本気ですから よろしく」


ぽかんとしている名前に向かって、朝日を浴びて素敵な笑顔で言う。
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