恋 〜叶わぬ想い〜
□恋 〜叶う 想い 〜
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それを見ていた真島は、
「おじいちゃんか! !」
と日本酒の一升瓶を持って笑っていた。
「本当は兄さんがする事ですよ?」
「あぁ〜?なんでそんなことワシがせなあかんねんな」
冴島は、真島たちの元へ帰ってきながら
「あほか 当たり前じゃ これからは組の子以上に航平を面倒見てやらんとあかんやろが」
真島は、そーか…せやな と納得して頷く。
「で…起きてるやつは俺達だけか?」
「そうみたいですね…でも俺も結構飲んでこれ以上は……」
うっぷと秋山が口を押さえる。
それを見ていた谷村が
「ちょっと…秋山さん吐くなら便所行って下さいね」
と秋山から離れる。
冷たいよ〜谷村さん…と言いながらトイレへと向かった。
「しかし…真島に子供とはのぉ〜…」
冴島がくいっと、日本酒を飲みながら真島にお仕置きという日本酒を浴びるほど飲まされ潰された名前と花の膝枕でねている航平を見る。
「正直…名前との間にガキが出来とるなんて思いもせんかった…けど 責任取るとかそんなんちゃうねん もう惚れてた女には傍におって欲しいだけやねん」
ガラちゃうけどな…と少しハミカミながら話す真島、それを聞いた谷村は
「今度こそ幸せにしてやってくださいよ! ! 何かあったら 俺が貰いにいきますからね」
拳を真島の肩に叩きつけた。
その拳を肩で受け止めながらニヤリ笑う。
「当たり前やんけ 今度という今度は縄付けてでも離さへんわ」
「狂犬に飼われるだな 名前は」
ふっ…とうっすら桐生が笑う。
「兄弟…ひとつ忘れてへんか? あいつの背中の傷
早う 綺麗にしたらなあかんで」
「せやねん 一度名前を抱こうとしたら 嫌がられてん…」
「それって…やっぱり」
谷村が真島の話しに陰を落とす。
「多分な…あの傷をワシに見せたくないと思うねん…」
「兄さん見せたくないでは無くて…」
桐生が口ごもる。
真島は桐生の話に耳を傾ける。
「なんやねんな もったいぶらず教えてぇな」
「その傷が俺たちでさえ大きさは分からないが あの青龍刀で斬られたんだ…結構な傷だろう…それを見た兄さんに名前は辛い気持ちになって欲しくないんじゃないか?」
それを言われて真島は、名前を抱こうとした日を思い出した。
あの日名前は、皆に認めてもらってからと言ってはぐらかしたが、決して真島の腕を背中に回させなかった。
「そんなん気にせんくても…ええのに」
とつぶやき、くいっと酒を煽る。
「兄弟は気にせんくても 名前は気にするやろ…ちゃんと 話さなあかんで」
ぽんと冴島が真島の肩を叩く。
寝てしまっている名前をじっと見つめた。