今日から俺は! !
□今日から俺は! !
1ページ/13ページ
「苗字くん…君 首」
「えええぇぇぇ! ! ! !」
服のショップのお姉さんをしていた名前は今年で3回こんな風に、仕事をクビになっていたのだった。
理由は簡単、女には見えない背の高さ 170センチ 全身黒い服。スカートなんて履かず。
顔立ちは、中性ぽくどちらかと言えば男性に見えなくもない。最初はお客様に好評だったが、女性と分かると見向きもされず。
先日来たお客には
「あら…あなた女性なの? 男かと思ったわ〜胸もぺったんこなのに 男性に生まれればよかったのに」
と笑われ、いつもは笑って相手に合わせるのだが、その理由で恋人に振られたばかりだったので
お客様に噛み付き、お店をクビ。。。。。
「あ〜 明日からどうすんだよ〜 仕事なんでもいいから おっこってないかな〜」
はぁ〜とため息をつきながら、中道通りを肩を落として歩いていると
いきなり後ろから
「なんでもええんか? なら建築現場とかでもええのんか?」
名前は、声がするほうを見ると
そこには、スーツを着た男が名前に向かって言っていた。
名前は、その男を知っていた。
真島吾朗だ。
「え? 今 仕事を…」
真島は、名前の両肩を持ち
「兄ちゃんなら できると思うで〜小回りききそうやしな イヒヒヒヒ」
名前は慌てて、訂正しようとした。
自分は女だと…
「いえ…あの 」
「なんや? ワシが 仕事をスカウトしてんのにでけへんのか?」
声のトーンを落とし真島は、名前の肩を持つ手に力を込めてる。
名前はあまりの威圧感に、何も言えずぶんぶんと首を振る。
「せやろ? ほな決まったな! ! なんや兄ちゃん名前はなんて言うねん ワシは真島吾朗や」
名前は、自分の名前を言おうとして、止まる。
女の名前を言ったら、この人に何されるか分からない。
ここは大人しく、仕事をさせていただいてお金にも困っているし、しばらくしたら辞めれば良いと考えた。
そして名前は、笑顔で
「か…和真っす 苗字和真っす 宜しくお願いします」
____カズマ…とっさに出た 名前だった______
真島は、ぴくりと眉を動かし
「カズマ…そーか! ! お前 桐生ちゃんと一緒の名前なんか! ! そーかそーか いや〜ワシは嬉しいで よしほな 仕事場 案内したるわ カズマちゃん」
肩をぐっと組まれ、何故かうきうきな真島と名前は、中道通りからタクシーでヒルズへと向かう。
タクシーの中で、矢継ぎ早に質問をしてくる真島に、少し戸惑いつつ聞く。
「あ…あの…ひとつ質問して良いですか?」
「あ? なんや? 」
「ど…どうして わた… おっ俺を仕事に誘ってくれたんですか?」
「あ〜? なんやそんなことかい そらお前 ワシの前に歩いとった男が 肩落として 仕事ない〜とか言っとったら 気になるもんやろ?」
『ええええ! ! ! 普通気にする? やっっぱりこの人って 噂どおり変わってるんだ〜』
名前は、はぁ…としか答えようが無い。
「しかも 桐生ちゃんとおんなし 名前なんてこらも〜運命やな! ! これで腕っ節も強かったらいう事無いけど……」
じろじろと、真島は名前の体を見る。
名前は、慌てて真島から距離をとる。
「な…なんですか?」
「せやけど… うっすい体してんのぉ〜? ちゃんとメシ食うてんのか? 」
軽く裏拳で、真島が名前の胸を2、3度叩く。
名前は、こう見えても一応女なので驚き
「なっなにすんですか?」
と胸を隠す。
その行動に真島は、目をテンにし
「女やあるまいし〜何 そんな事言ってるんや
ほれ もうすぐ着くで みっちり働けや?」
名前は、少し後悔し始めた。