今日から俺は! !

□今日から俺は! ! 2
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「う〜 どういう事だ? だって真島さんは私が男だと思ってるし…デートって事はないよね〜」


と名前は自室でテレビをつけながら一人明日の事で悩んでいた。


少女と真島が、遊ぶ約束をしていることを知らない名前は、真島2人と自然公園に行って何をするのか検討も付かない。


「まさか…桐生さんと喧嘩したことがあるって嘘付いたから 私と戦(や)ろうって考えているんじゃ…………ムリムリムリムリ ! ! 一応私女だよ?」


じっと鏡を見る。
今の自分は、あの時とは違う自分だ。


「女らしく」はしない。なめられるから。
いきなり変わった名前を見た谷村はひどく驚いたが、すぐに受け入れてくれた。


あえて他人には「男らしく」を見せているつもりだが……


やはり自分は女なのだ、生理だってくるし、多少だか胸の膨らみだってある。…ぺったんこだが。


「ホントー真島さんって何考えてるかわっかんない人……まっいっか 明日になれば分かるし」


名前は、そう言ってベッドに潜り込んだ。








名前は、今真島と肩を並べて自然公園の入り口に立っていた。


周りの大人たちは、この2人の威圧感に離れて
この公園に入って行った。


それもそうである。
一人は、眼帯にジャケット素肌、皮グローブ、皮パンツいかにもと云う姿。


もう一人は全身黒の服装。タッパは真島に比べれば小さいが、それなりの威圧感が漂っていた。


「……真島さん 俺達めっちゃくちゃ ここには不自然な2人じゃないですか?」


「あぁ〜 そうかぁ〜 しっかし 遅いな〜あの譲ちゃん…」


名前の話しに耳も貸さず真島は誰かを探していた。


「え? 誰かと約束しているんですか?」


真島は、しれっと


「せやで 昨日きとっやろが? あのちびっこ
あの子がお前と遊びたいとか行って来てな せやからワシがセッティングっちゅうもんをしてやってやな〜」


「え? あの子 誰なんですか? まさか…真島さんの…隠し子とか?」


真島は名前の頭を殴る。


「いっっっっっ! !」


「アホか! ! そんな訳あるかい! ! なんつーかちょっとな 助けたったら 懐かれてしもーてな…」


名前は目が点になる。
真島でも人助けなんてするのかと、驚いたからだ。


「へーー 真島さんでも人助けするんですね〜」


と心の中の言葉を言う。それを聞いた真島は名前の頬を摘む。


「お前は〜 ちょと慣れてきたと思ったら 言うようになったのぉ〜 え?」


「すっ すみまひぇん… いたっす〜」


名前が涙目で真島を見上げる。
真島は何故か又胸がモヤモヤとしだした。


そして…つい顔を近づける。


「…ま 真島さん?」


名前は、摘まれた頬を摩りながら真島を見た。


あと少しでと云う所に、少女の声がした。


「おじさーーん」


名前は、ドンと真島を押す。
真島は、はっとしながら少女の方を向く。


「お…おぅ! !」


____何 やってるんや? ワシは…_____


動揺を隠すように、名前から離れた。
残された名前は、真島がした行動にわけも分からずただ…動機が激しくなるばかりだった。


そして、動揺している所に少女が来る。


「こんにちは お兄ちゃん」


名前は、真島を見る。
真島は、何故か名前から目を逸らす。


そして、少女の方を向きなおし
目線を合わせるために、かがむ。


「こんにちは…俺と遊びたいって なにするの?」


「う〜ん…ただ お話したかったの」


名前はにっこり笑い
そうか…と言い立ち上がり手を繋ぐ。


「じゃ…とりあえず…そこのハンバーガー屋に行こうか?」


少女は頷く、そして名前は真島を呼ぶ。


「真島さん! ! セッティングしたんですから
最後まで付き合ってくださいよ! ! ほら 行きますよ! !」


名前はさっきの事など気にしない風に装いながら真島を呼ぶ。


真島も、その様に接する。


「ハンバーガーってまじか…ワシ 久しぶりやわ」


「まずは 腹ごしらえからだ ねっ?」


と、隣の小さな彼女に言う。
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