I will miss you

□I will miss you
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名前は、急いでいた。
朝起きたら出社時間30分前。。。


免許を持っていない名前は電車で行くしかなかった。


自宅の最寄り駅から電車を乗り継いで神室町まで約30分…完璧に遅刻だ。


寝起きのまま飛び起き、歯を磨いて顔を洗うくらいしか支度が出来なかった。


名前の仕事とは、携帯電話会社だった。


「すみません! ! 遅刻しました! !」


まだオープンしてない店内に店長ともう一人の女子社員と、スカジャンを来た男性がいた。


ボサボサの名前を一斉に皆が振り返った。


「あ…あれ? もうオープンしたんですか?」


息を切らせ、ちらっとカウンター席に座っている長髪の男性を見る。


「苗字さん! ! ! すっすみませんウチの従業員が! !」


ペコペコと店長がその男性に頭を下げる。


「えぇ かめへん 元気があってええやないか」


なっ と名前に言う。
名前は、はははと笑いすぐに奥に引っ込まらせられた。


「困るわよ〜 あのカウンターに座ってる人 東城会の直系の冴島組の組長さんなのよ! ! いい?
失礼のないようね」


こくこくと頷く、そして制服に着替え髪を1つに横縛りにし、メイクをする。


最後にグロスをぬりロッカーの鏡を見る。


「よし! ! オープンはまだだから先輩と交代かな?」


店内に出ると先程注意した先輩と交代するため近くに行く。


そして先輩は名前と交代する。
名前は、その「組長」に挨拶する。


「先程は失礼しました」


と頭を下げる。
冴島は、ふっと笑い。


「さっきの ボサボサとはえらい違いやな」


名前は、真っ赤になり咳払いをする。
そして、目の前の席に座り、冴島が携帯をご要望だったため話しだす。


「では…お客様 今回は新規でのご契約で?」


「せやな…ちょっと なにがなんやら分からんから 簡単なんでええんやけど…電話できたらええ」


「そうですか…でも これからは携帯電話より スマートフォンの方が主流になってきますが…」


名前は、にっこりと笑う。
それにつられた冴島も笑う、そして近くいる男を呼ぶ


「城戸ちゃん わし何がなんやらわからんわ
横に来てくれ」


「はい」


城戸という男が冴島の隣に座る。
名前は、少しビビル


_____いけないわ 名前! ! どんな人でもお客様なんだから_____


「で…では お客様は簡単な電話でよろしいんですね? そしたら 今かんたん携帯というものがありますけど…」


「おぉ! !そういうんでええねん」


と差し出してきた名前の手の中にある電話を取ってみる。


そして、横にいる男が


「でも 親父それ じーさん ばーさんが使うようなやつですよ? そんなん使ってたら 真島の叔父貴に笑われますよ?」


冴島は自分がその電話を使って、真島に笑われているところを想像してみた。


「……いい気分じゃないな…よしここは最新式であいつをぎゃふんと 言わせたろやないか」


「そうですよ 親父! !」


名前は2人のやり取りを見て少し微笑む。
冴島はその微笑んだ名前の顔を見て、何十年ぶりかに胸がときめいた。


「……っっっっ ほ ほな そのさっき 言うとった ヤツにしよか?」


「先程言っていた スマートフォンでございますね? では お客様のお名前とご住所とお電話番号と今日なにか証明するものはございますか?」


冴島は、先日取った運転免許書を見せる。


「では この免許証少しお借りしますね」


ちらっと免許証を見る。
そして


「冴島大河さま…ですね はい 結構です 冴島さま ありがとうございます」


冴島は名前を呼ばれただけなのに、何故か心臓が高鳴る。


「では お客様 スマートフォンにも色々ありまして…どのような者をご要望ですか?」


また訳がわからないことを聞き出してくる目の前の女に冴島は


「ほな…ねーちゃんのと 同じのでええわ」


言われた名前は驚く。


「私と一緒のですか? 私のはアイフォンですけど…本当にそれでいいですか?」


冴島は頷く。
少し戸惑いつつお客様がいう事だからと思い 名前は用意をする。


「お色が 白と黒がございますが?」


「ほな 黒で」


「はい 只今用意いたしますね」


と箱を取り出し袋につめる。


「お電話番号は このようになっています
090-○○○○-△△□□です」


「あぁ…わかった」


その他諸々の事を決めていたらオープンは当に過ぎていた。


名前は、この目の前にいる冴島は本当に何も分からないことに驚く。

「何か 分からないことがありましたら こちらにお越しください 私苗字と言います」


「苗字… 何ちゃんや」


「は? あぁ…名前です」


名前と冴島は心の中で呟き、手渡された電話を受け取る。


「ほな ありがとうな 苗字さん」


「はい ありがとうございました」


これが2人の出会いだった。
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