長編

□あなたを…したい
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深夜名前はまだ帰ってこない真島を待ちながらネットサーフィンをしていた。


イラスト、小説など個人的に楽しんでいるサイトがあるとテレビで言っていたのを思いだし、そのサイトを興味本位で見ていたら


意外や意外とても楽しい作品ばかりで読みふけっていた。


他のサイトで「腐向け」「BL」よくわからない単語が記載されていたので、またまた興味本位で覗いてみた。


初めは絵を見ていたが、恥ずかしくなり小説の方を読んでみた。


深く読んでいくうちに男の人でも女の子のようにできるようなことを書いてあった。


いつも自分ばかりが攻められていて、真島に満足してもらえているのかずっと不安だったので、これは良いものを読んだと思った。


名前はさっそく詳しいことを知っているお店に行こうと、バックをつかみ取った時


玄関のカギが開けられた音がした慌ててパソコンを消し、自分達の寝室に行きベッドに入り寝たふりをした。


真島はリビングの明かりがついていたので、まだ名前が起きているのだと思ったが、リビングは静かだった。


「なんや…寝たんか」


そう言いながら、そっと寝室を覗くと掛布団が規則正しく膨らんでいた。


真島は、名前のそばまで行き、寝ている名前にそっと頬にキスを落とす。


「帰ったで…」


そう言い残し、ドアを閉めバスルームに向かったのだろう。


寝たふりをしていた名前はそっと目を開き、自分のスマホでおかまバー、ゲイのスナックなどを検索する。


やはり歌舞伎町が一番多そうだった。


「……あんまり夜の歌舞伎町行ったことないし…真島さんも心配するかなぁ…」


名前は真島が名前の指で気持ちよくなって欲しいと思い、夜の歌舞伎町に行く決心をしたら眠気が襲ってきていつの間にか深い夢の中へと入っていった―――――













名前が目を覚ますと、隣には愛おしい真島がまだ寝ていた。


ふふふと笑い、ツンっと真島の頬を突いてベットから降りた。


「……まだ 寝ててもええんやで…ワシも昨日帰ったの午前様や」


名前はにこりと笑い。


「真島さんはまだ寝てていいですよ
私目が覚めちゃったので」


うーんと寝ぼけ声で答えた真島はまた布団を掛けなおした。



身支度を済ませ、自分に紅茶を入れた。
ホットで飲むのはもう暑く、アイスティーを作り、リビングで昨日検索していた歌舞伎町のおかまバー、スナックなど見ていた。


どこが安全な店なのかよくわからないけれど、口コミが良いのは、チャンピオン街の亜天使だった。


口コミでは、ここのママはガタイがいいがとっても女性らしくて、優しいし常連になれば、相談事など乗ってもらえる。女性一人でも大丈夫と書いてあった。


「行くならここかなぁ…」


と呟いたとき、


「どこに行くねん」


真島の声で、驚きスマホを落とした。


「ま、真島さん…びっくりした…まだ寝てなくていいんですか?」


慌ててスマホを拾い、検索画面を上にスワイプして消す。


真島は、隣に座りふぁ〜と欠伸をし、ちろりと名前を見る。


『ヤバ…焦ってると何か隠してると思われちゃう…』


そう思い、コーヒー淹れますねと席を立ち真島の前を通り過ぎようとした時、手首を持たれ歩みを止められた。


「どこ行こうとしてるんな」


名前は内心心臓が飛びてそうだったが、これも真島の為だと思い


「別に… ただ今度ショッピングするならここがいいなぁ〜って思ってて…でも真島さん今忙しいですもんね…」


わざとしおらしくする。
真島は今、極道組織とは別のフロント企業で不動産関係の仕事を始めた。


以前真島の組のフロント企業だと知らず派遣で入っていたのは名前だった。昼職は派遣社員で、夜は秋山がやっているエリーゼで働て居ていた。

(そこで二人は出会ったが、まぁそれは別の話で……)


「まぁ…当分ちょっとせわしないからな…これからもっと午前様になるかもしれへんしな…
もしアレなら 名前行ってきてもかめへんねやで?友達とかと…あの金貸しのトコにおる…ねーちゃんと」


「え… 真島さんもっと午前様増えちゃうの?」


夜の神室町に行けると、少し嬉しかったがそれ以上に真島の体が心配だった。


「体無理してないですか? 心配です」


しゅんと落ち込む名前に真島はにやにやした顔で名前を真島の膝の上に乗せて、正面に座らせた。


「寂しい思いさせて堪忍な」


そう言うとちゅっとリップ音を鳴らし、名前の肩にもキスを落とす。


『あ…… これは朝からヤバイ…このままなし崩しにされちゃったら 私一日寝て過ごすことになっちゃう』


そう考えた名前は真島に抱き着いて、真島の耳たぶをかぷっと噛んだ。


ピクリと真島の体が動き、少し力が緩んだすきに、真島の膝から降りた。


「……なにすんねんな お前がそんなんするなんて初めてやないか?」


真島は噛まれた耳を触りながら、驚きで朝からの良い雰囲気を忘れた。


「んふふふ…」


含み笑いをしながら名前は真島のためにコーヒーを淹れるためにキッチンに立つ。


真島は名前の行動に何かもやっとしていたが、コーヒーを入れる名前はいつもと変わらなかった。
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