ただただ逢いたい

□その時気持ちが動いたかも?
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あれから数日がたった日


名無しさんが勤めている花屋に一本の電話が鳴った。


電話に出たのは店長だった。
少し話した後、しょ…少々お待ちくださいませと言って電話を保留にして、凄い形相で名無しさんの傍まで来て

「ちょっと名無しさんちゃん真島組とか言う人から電話よ  名無しさんちゃん何したの?



と言われ名無しさんはすぐ受話器を取った


「も、もしもし?名無しさんですけど……」


と怖々話しかけた


そこにはとても物腰が柔らかい言い方の男性の声がした。


「あっ…もしもし、名無しさんさんでしょうか?私は西田といいます。
親父の……あっいや、真島組長からの伝言なんですが……今大丈夫ですか?」


「すみません。今仕事中なので仕事が終わり次第掛けなおしても構いませんか?」


と名無しさんは先日貰った真島の名刺を見た。


……こんなことになるなんて…


名無しさんはタメ息をつき受話器を置いた。








「お疲れ様でした。お先に失礼します。」


と言って店を出た名無しさんは携帯電話を出し財布から例の名刺を出した。


本当は電話なんて掛けたくない。
関わりたくない。勘弁してほしい。
  

とぶつぶつ独り言を言っていた。
でもお店の電話番号も知られてる
名無しさんが店を止めない限り真島とは大げさかもしれないが、縁は切れないだろう。


名無しさんは気持ちを奮い立たせて、「184」を押してから、携帯電話で真島の事務所へ電話を掛けた。


そこには図太い声でいかにもという男性が出た


「はい、真島組です」


名無しさんは口の中がからからになりながら、声を発した


「あ…あの私名無しさんというものですが、真島さんいらっしゃいますでしょうか?
あの…先日色々…」


名無しさんが話し終わらないうちに電話の声の主が


「ああ〜名無しさんさん おつかれさまです
今親父、幹部会で抜けられねーんですわ」


「あっ…そ、そうですか、(なに〜?幹部会って?早く電話切りたい! !)ではまた改めてお電話します」


と言って電話を切ろうとしたのに


「あ…もしもし?名無しさんさん?
すんません、親父から名無しさんさんの携帯番号を聞いておけと言われたんで、教えて欲しいんですが」


電話の主が言った。
名無しさんは番号が知られたくないから
わざわざ「184」を押して電話を掛けたのに
教えろと……これは、教えないといけないのだろうか?


「あ…えっと〜…はい。わかりました。」


名無しさんは泣きながら電話番後を告げた。
そして電話を切った。
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