ただただ逢いたい

□好きになってもいいの?  惚れてしまってん
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「なぁ〜 いつになったら遊べるん?
ワシのバッティング見せるって約束…」


「この前真島さんに連れて行かれた時仕事できなかったんで 当分無理です」


と名無しさんが花をSHINEに届けるために車から下ろしながら、答えた


真島はこの前の事を言われると何も言えない…


「そうか…しゃーないよな」


真島は元気を無くしその場を去ろうとした。


名無しさんは ふ〜 とため息をはき


「嘘です。明日休みです」


名無しさんの言葉を聞いたとたん
とぼとぼと歩いていた真島が凄い速さで
近づいてきた


「ワシは嘘がきらいやで〜」


と言って名無しさんにこめかみをぐりぐりした。


「いっいたた〜すみません ごめんなさい
さ…サプライズですよ ちょっとした」


と顔をしかめながら真島の手を止めようとした。


「サプライズか…そういうんやったら許したる ほんで何時に終わるん?仕事」



「あ…はい これをお届けして一旦店に戻って 着替えれば帰れますけど」


と名無しさんはこめかみを押さえながら言った。


「ほんなら 終わったら電話してや
劇場広場で待ち合わせしよw」


とニカッと笑顔


名無しさんは事務所の電話番号は知っているが、真島個人の電話番号は知らない


以前掛けてきたことはあったが、あの時は警戒して出なかったし、登録もしなかった。


その事を真島に言った。
(警戒して電話に出なかったとは言ってないが…(笑) )


「ほうか…ほな ほれ これワシの番号」


と真島が携帯番号を提示した。


「あ…はい 今登録しますね。
あっ一緒の携帯会社なんですね
ただ友ですね」


と名無しさんが何気なく言った言葉に真島は


「なんや ただとも?なんやそれは?」


「え…知らないんですか?真島さん
ただ友って 同じ携帯会社だと通話料無料なんですよ 時間によりますけど…」


と教えた。


「ほーーええ事聞いたな ワシらただ友なんや〜」


と真島はそれから「ただ友」という言葉を舎弟やら南やら西田やらに鼻高々に教えた


皆『親父…皆知ってるっす』といわれる始末


「はい  登録完了しました。後で電話しますね。」


と名無しさんはニコッリと真島に笑顔を見せた。


名無しさんは届ける花を持ち
じゃ…また後で 電話しますねと言い
SHINEに入っていった。


その後姿が雪穂を思い出させたが、その思いを吹き飛ばした。


−−ワシはもう過去に振り回されん
今を名無しさんちゃんを大事にしたいんや…
頼む雪穂もう出てくるなや…−−
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