ただただ逢いたい

□事故の後遺症
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「ありがとうございました〜」


と最後のお客を笑顔で挨拶して名無しさんは、店先に生けた花を片付け始めた。


なんとなくまだ先日の真島との行為で腰に違和感が抜けない。


腰をトントンしていると後ろから ぷっ と噴出す声が聞こえ、名無しさんは振り向いた。


「お前…おばぁちゃんかよ 貸せよ重いから俺やる」


と朝田が名無しさんの持っている花の束が入っている大きいバケツを持つ


「ありがとうございます」


とお礼を言った。


「それにしても お前真島さんと上手くいったんだな」


「え…ええ まぁ…はい…先日はすみませんでした」


「いや…いいんだけどよ それは 店長にも具合が悪くなったみたいだから 配達終わってから 帰らした って言といたし」


と男らしく朝田が言い また名無しさんお礼を言った


おおかた店の片づけを終わらせて、名無しさん達は店に鍵を掛け


近くの駐車場まで歩く


お互い無言だった、しかし沈黙を破ったのは
朝田だった。


「あのさ こんな時に言うのアレなんだけど
俺さ お前の事好きだったんだよね」


「えーー! !…だから真島さん朝田の居るこのお店止めろって言ってたんだ…」


と以前真島が言っていた事を思い出した。


「まーでも 今俺彼女居るし この後デートだし もう諦めたけどな真島さんと居る時から」


「あ…はい すみません」


「謝るなよぉ〜ヘコむじゃん ま…明日からもよろしくな! じゃ おつかれ〜」


「はい お疲れ様でした」


と挨拶して 名無しさんは自分の車に乗り家路に急いだ。


今日は真島との約束をしていないので、家でゆっくりしょうと思い、少し楽しみにしていた。


ここの所真島に振り回されていたので、自分の時間が持てなかったのだ


15分程走らせた所に名無しさんのアパートがある


鼻歌を歌いながら、階段を上り自分の部屋の鍵を出し鍵を開けた。


名無しさんはすぐお風呂のお湯を入れた。
その間に冷蔵庫の中にあるビールを飲んだ


「はぁ〜美味しい〜今日はお風呂入ったら寝ちゃおうかな〜おなかも減ってないし〜」


と言ってリビングで寝転がる。
その時お風呂のお湯がいっぱいになったアラームが鳴った。


「あ〜はいはいっと」


と言いながら手に持っていたビールを机に置き、上着とスカートを脱ぎ、下着姿のまま風呂場に向かおうとした時、スーっと自室が開いた


「おおおおお〜なんやね〜ん 名無しさんもうその気か〜い! !」


と真島が飛びついてきた


「きゃ〜! ! ! な なんで居るんですか〜! !」


名無しさんは身体を隠すためしゃがみ込んだ


「ええや〜ん 名無しさんに会いたかってんも〜ん せやけど 名無しさん一人の時はこんなんなんか〜ほ〜」


と言い真島は名無しさんの後ろにしゃがんで、ベローっと名無しさんの背中を舐めた。


「やぁ…もう駄目ですよ…お風呂入ってないんだもん」


と真島を見るために振り返った『お風呂に入っていない』このワードを言わなければ、長風呂にならずにすんだのに…


そのセリフを言わせたくて真島は名無しさんの背中を舐めたのだ


名無しさんの性格上仕事帰りの時は、そういう行為は嫌なはず、と真島は踏んでいた。


「ほな 一緒に風呂入ろ ほれ早よう立ち」


と真島は名無しさんの腕を引っ張りながら真島はジャケットを脱いだ


「えぇぇぇぇぇ〜〜一緒に入るんですか?
うちのお風呂狭いし 入りたかったらお先にどうぞ」


「何言ってんねな! !狭いからええやんかぁ〜ほれ 早よう! !」


「……すぐ行きますから 先にお風呂場へ行って下さい」


真島は ほんまかぁ〜?と言いながら風呂場へと向かった。


名無しさんは、今日も自分の時間が持てないな…と思いながら重い腰を上げて、真島が脱いだジャケットをハンガーに掛け、自分が脱いだ服を持って、風呂場に向かった。







「はぁ〜気持ちええな〜なぁ?」


「ええ…はい…まぁ…」


と名無しさんは身体を湯船に体育座りをして真島に背中を見せていた。


「なんやねん…こっち向けや」


名無しさんの腋に手をかけ、こっちを向かそうとする


名無しさんは懇親の力を込めて、向き合うことを拒否していた。


真島は名無しさんの首に唇を寄せて、また舐めた。


そして腋にあった両手は乳房の方に行った。


「ちょ…真島さん…んぅん…ダメ…」


「なにがぁ〜」


真島はゆるゆると乳房を揉む


「もぅ…お願い…ここじゃ…嫌…」


真島の手に名無しさんの手が重なる。


「ほな…ベット行こや」


名無しさんはこくんと頷いた。


これからまた甘美な夜が二人を包む−−−
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