恋 〜叶わぬ想い〜

□恋 〜叶わぬ想い〜 弐
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『君 真島さんの事 好きでしょ?』 


先日の谷村の問いに何も言えず黙ったままの
名前を残し、去って行く谷村を名前は見送った。


_____分かりやすい態度で私真島さんのこと見てたのかな?


ぐるぐる谷村の問いが頭の中で支配していた。






「…! ちよっと名前! ! 」


はっとした瞬間目の前には、花の顔があった。


___そうだった…秋山さんの変わりに花が集金に冴島さんの所に行ってたんだ。


集金が終わり花は、名前の顔を見るためにキッチンに足を向けたのだ。


そこには、キッチンの中にある椅子に座り、テーブルにひじに乗せてぼーっとしていた。


「あ…花…どうしたの?」


「どうしたの? じゃないわよ〜ぼーっとして
大丈夫? 疲れてるんじゃない?」


花は、名前の前にある椅子に腰掛けた。


名前は席を立ち、花のためにコーヒーを入れる。


それを花の前に出し、花に向かって微笑む


「疲れてなんかいないよ 皆何も知らない私に色々教えてくれるし 冴島さんだって…」


「でも…なんかあった? この前あったときも元気なかったし…」


「……う…ん…」


花は、やっぱりと言い、名前が言い出すのを待っていた。


そして、キッチンから繋がる廊下に冴島が聞き耳を立てていた。


冴島は花がいる事を城戸から聞き、探していたらキッチンから花の声と名前の声が聞こえた。


その話の内容がこの頃元気が無いと危惧していた名前の事だっために、動けないでいた。


「あの…ね 実は…私 なんいうか いいな〜って思う人が出来て…その…」


「え? 名前好きな人出来たの? 嘘! !
誰? !」


花が、びっくりし、前のめりになって聞いてきた。


「言いたくない…だって 絶対私の事なんて眼中に無いもん ただのお手伝いとしか…思われてないこと知ってるし」


「……ただのお手伝いって…え? この中の人? 
えええええ! ! !」


名前は、しまったと思い手を口にあてた。
廊下にいた冴島も少し、驚き中の様子を見た。


「え、え、え、え、 で でも ここの人だと 
城戸さんとか? だって一番近い存在よね?」


名前は、慌てて 首を振る。

「違うの〜 あ〜なんで 言っちゃったんだろ」


名前は、机に顔をくっつける。


「誰よ! ! ま まさか 社長じゃないわよね?」


花の心配そうな声を聞き、名前はふふふ と笑い。花を見た。


「違うよ…安心して 真島さん…だよ…あぁぁぁ〜言っちゃった」


花は驚きすぎて、言葉が出ないでいたら廊下の方で動く影があることに気付き、そちらを見た。


「あ…さ 冴島さん…」


花の一言で、名前は、机でだらけていた身体を起しそちらを見た。


冴島は、おう と手を上げ気まずそうに言った。


「すまん…聞こえてしもた」


名前は、この世の終わりだと感じた。
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