恋 〜叶わぬ想い〜

□恋 〜叶う 想い 〜
1ページ/9ページ

「荷物これだけでええか〜?」


と横浜の名前の家から如何にもという人物が出たり入ったりしている。


「はい もう後は このダンボールの洋服と航平のおもちゃくらいですから 私の車で行きます」


ちゃりっとキーケースを真島に見せる。


「せやったら ワシも名前の車に乗っていこかな? かめへんか?」


名前は、快く返事をして
ちょっと待っててなと真島は、西田の元へ歩いていった。


なにやら一言二言西田に話し、ほな頼むわと言い残しまた名前の元へと来る。


「どうかしたんですか?」


「ん? あぁ… 兄弟のとこでまた名前働きたいやろ? 頼んどいた」


名前は、目を丸くして真島を見る。


「えっ? どういう事ですか?」


真島は名前が持っている荷物を受け取り、トランクへと乗せる。


「やって お前の事や いくらワシと一緒に住むと言っても 働き口探すやろ? 」


名前はもちろんそのつもりでいたので、頷く


「ほらな せやったら ワシの目が届くトコの方が安心やしな」


「えっえっえ? で でもいきなり冴島さんだって 私が働きたいといっても すぐには無理なんじゃ…」


真島は、イヒヒヒと笑い 


「お前が見つかった事 すぐに話したら兄弟会いに行くとか言っとったけどな あいつ今めっちゃ忙しいねん 中国との交渉持っといてな せやからお前に会いたいけど 会いに行かれへん せやから」



「私が 働くと」


真島は、大きく頷く


「確かに…冴島さんには以前お世話になりましたし ご迷惑もお掛けしました でも…これ以上迷惑は…」


その時真島の携帯に電話が鳴った。
真島は、名前に携帯の着信が誰かと見せる。


冴島だった。
ニヤリと笑い、電話に出る。


「おい! ! 兄弟 今日名前が神室町に戻ってくるんやと? なんでそんな大事な事言わんかってん! !」


「すまんすまん 今目の前におるわ 変わるか?」


ほれ と名前に携帯電話を渡す。
一瞬躊躇するが、名前は電話を受け取る。


「も もしもし?」


「名前か? 久しぶりやな 元気やったか?」


「はい… 冴島さんも…お元気でしたか?」


「おぅ…こっちはあいからわずや」


「そうですか 良かった あの…あの時は 何も言わず ご迷惑をお掛けしました」


「……ええねん また こうやって話せる事が出来たんやから 戻ったら一度会おうや」


「はい 是非 じゃ真島さんに変わりますね」


名前は、真島に電話をかえす。


「ほしたら 帰ったら そっちに行くわ おぅ そうか 中国との…まぁ…その話は おぅ ほな」


ピッと電話を切ると


「じゃ 神室町に戻りますか?」


「まずは ワシのマンションに荷物置きに行こか〜」


真島は航平を抱き


「よし! ! ワシらの家に行こかぁ〜航平」


ずっと傍にいた航平は、行こう 行こうとはしゃぐ。







「うひゃ〜 おとんの家って デカいんやな〜」


航平が、リビングではしゃぐ


「航平! ! ダメでしょ? 騒がないって約束わすれちゃったの? 」


「名前…ええねんやで ここはお前らの家でもあるんやから 遠慮なんかすんな」


それに…と言いながら航平を肩車をし、


「わぁ〜! ! 高い! !」


「子供が大人しかったら そら病気やで 男はそんくらいないとあかん もっと元気の方がええくらいやで」


なぁ…と上にいる航平に言う。
名前は、お礼を言う。


「お前も なんでそんな 遠慮してんねんワシら家族になるんやで? 名前も ワシに言いたいことは言えばええ」


「言ってますよ」


ふふふと笑う。
真島は、ぐいっと名前を自分の胸に引っ張り片手で航平を支え 名前の顎を持つ


そして、ちゅっとリップ音を立てキスをする。


「わ〜ちゅ〜した〜 なにしてんねーん! 」


「まっ 真島さん! !」


真っ赤になった名前は、ばっと真島から離れる。


真島は、イヒヒヒと笑い


「ええやん 別に なぁ? 航平」


「せやで おかん! ! 俺嬉しい! !」


男2人は離れていても、やはり親子なのですぐ打ち解けていた。


名前は、それは嬉しかったがずっと真島に後ろめたかった。


真島に黙って航平を産んで、育て……。
しかし、真島は名前と航平を見つけ出し


しかも三人で一緒に暮らそうと言ってくれた。
幸せだが……


東城会の大幹部の男が、いきなり現れた子供を引き取るなんていいのだろうか?


色々そういう世界には、しきたりとか有るのではないのか心配してしまう。


「ん? どないしたんや? ぼーとして」


「いえ…早く片付けて 冴島さんの所に挨拶行かなくちゃなんでしょ?」


名前は、肩車されている航平を受け取りながら言った。


「えぇ〜そんなん 西田と南とかに任せればええやん」


「ダメです 自分の事は自分でします その間真島さんお仕事に行って頂いても構いませんよ?」


真島は、ジト目で名前を見て


「お前には かなわんわ…」


はぁ〜とため息をついた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ