夜に逢いましょう

□寝起きは最悪
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「君は強いし 一人で大丈夫だろ?あの子は俺なしじゃ駄目なんだ」


どこかのドラマで見たような、陳腐なセリフを言った男、この男は名前が同じ会社の3年付き合った男だ


名前はふっ…と笑い


「そう それなら仕方ないわね」


名前は、伝票を持ち席を立つ


「ここは俺が…」


と名前から伝票を奪おうと手を出したら


「私自分の男以外に奢られる性質じゃないの」


男を残し、喫茶アルプスを出た。


その一部始終を見ていた男が居た。


「めっちゃ しびれるわ〜」


と一人で悶えていた。









「ちくしょ〜何が君一人でも大丈夫よ〜私だって本気だったんだから〜」


と奏平通りをふらふらになりなが名前は歩いていた。


「お姉さん 振られちゃったの〜? 可哀相に〜なんなら俺らが慰めてあげるよ〜」


とニヤニヤしながら、男達が群がってきた。
名前は男達を睨むと


「ふざけんじゃないわよ〜 乳臭いガキが〜ヒック 私と寝たいなら 高収入 高学歴 高身長でなきゃ駄目なのよ! !わかった? 」


とまたふらふら歩き出そうした…がしっと群がる男の一人が名前の腕を掴んだ。


「この女〜ふざけんなよ! !」


と叫ぶと周りで見たいた 人たちはそそくさと逃げていった。


名前は腕を取ろうと、ぶんぶん振り回した。


「なにするのよ! !本当の事言われて 頭にきたの もっと言ってやるわよ! ! きゃっ! !」


ばちーんと思いっ切り、男に殴られた。
そこで意識が飛ぶ瞬間に、誰かが名前を助けた…ような気がした。







ズキズキズキズキ…頭が割れる…


「ヴヴヴヴ〜頭痛い…今 何時だ?」


名前はうつ伏せになりながら携帯電話を探した。
ぱたぱたと手を右にしたり左にしたり、探したが中々見つからない。


「う〜もう どこよ! !」


ガバッと顔を上げた。


「え…ここ…どこ?」


名前はあたりをキョロキョロ見回した。


見知らぬ部屋、ベットここは一体何処なんだろうか…と思っていると


隣のシーツがモゾモゾ動いた。
そーっとシーツを捲ると、そこには全然知らない男性が寝ていた。


「! ! !ひっ! 」


大声が出そうな所を慌てて、手で口を押さえた。そして自分が何も身に着けていないことに気付き


「……うそ…なにこれ…」


名前は頭の片隅で
−−驚きすぎると 人間て意外と冷静なのね−−


と暢気に考えていた。
はっと気付き、名前は自分の服を探し始めた。


「無い無い…あっ あった…けど」


服が隣の男の下でぐちゃぐちゃになっていた。


ぐっぐっと隣の男を起さないように、服を引っ張った、が


「なんや苗字ちゃん もう起きたんか?早いな〜」


男はあくびをしながら、言った。


「あっあなた! !一体誰なの!?しかも裸にして! !」


名前は男を指し、シーツを胸まで上げた。


「え〜覚えてないん? ほんまに〜?」


男は、がっくしとうな垂れた。


「とっ兎に角 私着替えますから 後ろ向いててもらえます?」


「へいへい そんなん何の意味があるねん ワシはもう全部しっとるっちゅーねん」


名前は慌てて服を着なおして、しわくちゃになったスカートを皺を伸ばす。

「あの…やっぱり 私あなたと…」


「あぁ やったで めっちゃ良かったわ どやワシの女にならへんか?」


名前はきっと 真島を睨むと


「結構です 私もあなたも大人ですしこれ位の事どうでもないですし」


名前は服を直し、ベットから降り真島にぺこりと頭を下げ 出て行こうとした。


「おいおい 冷たいな〜昨日はめっちゃ可愛かったんに」


男はベットで寝ながら言った。


「昨日はお酒を飲みすぎちゃって ちょっとアレでしたけど…兎に角おたくも気にしなくて良いんで」


「おたくやなく 真島 真島吾郎や」


「そーですか…では真島さん 私帰りたいんで タクシー呼んでいただけます?」


名前はにこりと愛想よく真島に微笑んだ。
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