夜に逢いましょう

□夜中の訪問者! ?
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「ほな ちょっと留守にするさかい あんまウロウロほっつき歩くなや」


ネクタイを締め、名前を見て、手袋をした手でぽんぽんと頭を軽く叩く。


退院してから、真島のマンションで一緒に住むことになった名前。


退院して数日は、2人で産婦人科に行ったり(周りの妊婦が恐がったため
真島は今回だけの付き添いなった。)名前が着る服、下着などを買ったり


夫婦らしい事をしていたが、、、、


出掛けている時真島の携帯電話が鳴り、そこから真島の動きが変わった。


先日のカチコミの首謀者は、真島組の者たちが始末はしたが、まだ小物達が真島の命(タマ)を狙っている。








家のチャイムが鳴り、名前がテレビドアホンに出た。


「お疲れ様です 西田です 親父迎えに来ました」


西田は、腰を落とし頭を下げながら言葉を発した。


「今 下に向かうそうです…あの…」


名前は、真島に危険が迫っているのかを聞きたかったが、
邪魔になってはいけないと思い、言葉に詰まった。


「へい 姐さんなんでしょうか?」


「あ…いえ なんでも なんでもありません わざわざすみません」


真島が玄関から名前を呼ぶ


「名前〜ほな行ってくるで〜」


名前は真島の声がする方を見て、西田に
よろしくお願いします と伝え、真島の傍に行った。



「気をつけてね 何もなくても電話してくださいね」


「わかっとる 名前もなんでもええから電話しろな」


名前の頬を革の手袋をはめた手で、軽く撫でその手で、顎を持ち真島の方を向かせ、軽く口付けを落とす。


「ん…ご 吾朗さん 下で西田さんが待ってるから」


ちゅっちゅっと何度も口付けを落とす、真島に名前が止める。


名残惜しそうに、真島は名前から離れ ほな いってくると言い、玄関を出た。


ばたんと閉まったドアを名前は、何とも言い表せられない気持ちを持った。


そんな気持ちを引きずらないように、名前は、気合を入れた。


「よし! ! まずはキッチンにたまったお皿を洗おうっと」


腕まくりをしながら、リビングにつづく廊下を歩き、ドアを開けキッチンに向かった。








「親父 今日はどのようにしましょう?」


運転しながら西田は後ろの席に座る真島に聞く。
真島は顎を右手に乗せ、少し考える。


「…せやな 小物が何人おんのか わからんのか?」


「まだ 全部は把握しきれて居ないんですけど 大体10人以上はいると…」


「ダァホ! ! 把握してからワシに聞け! ! ワシが動くさかい」


真島は運転している西田の席を脚で蹴った。


「へい! ! すみません すぐ動きます 
で親父 本部に向かう形でよろしいですか?」


「おう その前に神室町ヒルズによってんか 進行状況を見とかんとな〜6代目にどやされるで ただでさえ遅れとるんに」


神室町ヒルズは今の東城会において、唯一の財産と言ってもいいだろう。


峰を失ってから東城会は、上納金が少なくなり、今は真島建設が手がけている、神室町ヒルズが
唯一の財産原なのだ。


なんとしても、早くオープンさせなくてはならなくなった。


「親父 着きました」


真島は慣れたように、西田が開け真島は西田の肩を叩き、ごくろうやったな と珍しいく声を掛けた。


西田は少し驚き、


−−丸くなられましたね 親父…名前さんのおかげですね−−


西田が名前に感謝をしている時、後ろから


「まじまぁぁぁぁぁあ 死ねやぁぁぁ」


大声を出し、目を血走らせて、ドスを振りかざした。


「親父! !」


西田が真島を助けようとすると、もう真島はその男を殴っていた。


「なにさらすんじゃ! !ボケがぁぁああ! !」


もう一発殴る。殴る。殴る。


「ぐがぁ! !」


男は白目をむき、意識を失った。


真島はまるで汚いものを触ったかのように、手についた血を振り掃った。


そこに騒ぎを聞きつけた、舎弟達が何人か集まってきた。


その中に南を見つけ


「おう! !南 お前 西田と一緒に例の場所にこいつ運んどけ」


南は、頭を下げ へい 分かりました
西田と南は、真島にボコボコにされた男を
運ぶ


例の場所とは、真島組が持っている港にある倉庫の事だ。


そこは、人を閉じ込めて止めを刺すのはもってこいの場所だ。


ヤッた後は海の藻屑だ。
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