今日から俺は! !

□今日から俺は! !
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真島とタクシーを降りた名前は、建設中の神室町ヒルズへと足を向ける。


「親父! ! お疲れ様です! 」


真島を見つけると、次々と頭を下げる建設員達。
それを横目に名前は見て


あることを思い出した。


『ヤバイ! ! この人達…全員や…やくざ? じゃ私もヤクザの一員になるの?』


血の気がサーっと引いた。
真っ青になった名前は、真島の後を着いていく。


『今更 やっぱり辞めますとは…言えないよね…ていうか 辞められるの?この仕事。。。。』


名前が軽く凹んでいると、いきなり止まった真島の背中にあたる。


「ぶっっっ いった〜」


名前が顔を擦っていると、真島が言う。


「お前…度胸あんな〜 普通やったら逃げ帰るんに…おし 気に入った! ! 」


真島は、名前の背中を叩き
よく工事現場で見る、プレハブ小屋へと通された。


そこには、なぜかこのクソ寒い中上だけ脱いでいる男とお茶をすすっている男がいた。


真島を見つけると頭を下げ


「お疲れ様です」


立ち上がった。
真島は、手を軽く上げ後ろにいる名前を見せる。


「こいつ 今失業中なんやって やから 真島建設で雇ってやった やからお前らこいつに色々教えてやり」


真島が、ほれ と言い 名前は頭を下げ


「苗字和真と言います 宜しくお願いします」


「親父…建設で雇ったっちゅーことは 組員やないんですか?」


と半裸の男が言う。


「せやな まぁ…カズマちゃんがなりたいって言ったら 考えてやらへんことは無いけど…」


と名前を見るが、ぶんぶんと首を振り、


「いっいえ…俺は…仕事さえさせていただければ…はい…」


「せやろ? 一般人の男には まず無理やろな〜」


イヒヒヒと笑い、名前の肩をぽんと叩く。


「親父〜 なら 一般の人をここに来させるのもどうかと思いますけど…」


と初めて、まともに喋る人が居た。
真島はその男が被っている安全ヘルメットを取り
頭を殴る。


「うっさいんじゃ! 西田! ! カズマちゃんは
ワシが見つけた男や! ! なんか文句あっか?」


殴られた西田は、いえ…とうな垂れた。
名前は、しばらくここで働かなくてはいけなくなった。
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