今日から俺は! !

□今日から俺は! ! 2
2ページ/33ページ

ざわつく店内に、真島と名前と少女か座っていた。


「ねぇ おじさんのトコで働いてるの?」


「う〜ん そうだったり そうでなかったり…
今の建設しているところまでかな〜 いつまでもこのおじさんに お世話になっているわけにもいかないしね」


と言いながら ハンバーガーをパクつく。


真島は、2人の会話に入るでもなく傍にいた。


___せやな…ガスマちゃんは 真島組でもなんもないしな…_____


と、ふと窓に写る名前の姿を見る。
とても優しく少女と話している顔だ。


いつもは眉間に皺を寄せて、荷物を運んでいるか
組員たちの中で少し困っている顔しかしない姿しかあまり知らない。


その顔を見て、真島は気付く


___あぁ…あかん これは ワシ落ちてもーたな… 男とか女とか関係あらへん…どないしょ?___


そして、ガラスの中の名前が真島に気付く。
そして…優しく笑いかけ


「真島さん 食わないんですか?」


とハンバーガーを差し出す。


「今から食べるわ」


真島は名前を見て、受け取る。









「今日は 楽しかった〜 またねお兄ちゃん」


「またねと言いたいけど あんまり 現場に来ないほうが 良いよ? 怪我されると困るしね」


「えぇ〜」


と少女がむくれる。


「しゃーないやんけ ワシもそう言っとるやろが」


とポンっと少女の頭を撫でる。


「う〜 じゃ 会いたいときはどすればいいの?」


ぶはっと 名前は笑いだす。


「あはははは いっちょ前に女みたいなこと言われましたよ〜真島さん」


その笑い顔まで、真島は愛おしく感じてしまった。


____あかん…重症や ワシ…____


ひとしきり笑った名前は、鞄からメモ帳を出し何か書いていた。


「コレ 俺の携帯番号良かったら電話してきて休みの時は 大体家にいるし」


少女の顔が輝く


「わ〜 ありがとうおにいちゃん じゃ帰るね〜またね〜おじさんもありがとう」


と可愛く手を振りながら去っていった。
名前は、最後まで送り出し、そして伸びをする。


「さ〜て じゃ俺この辺で失礼します」


ぺこりと頭を下げ、真島と別れようとする
…が、何故か真島が手をつかむ。


「真島さん? どうかしたんですか?」


「……あっと の 飲みにいかへんか?」


名前は、あぁ〜と言い 頭を掻く


「どないしてん?」


へらっと名前は笑い、


「そうしたいのはやまやま何すけど…俺」


チリャッと鍵を見せる。


「車できてるんですよね〜」


そーか…と手を離す。


「そうしたら…俺の家に来ますか?」


「ええのんか?」


言った自分が一番ビックリする。


_____なるべく男と2人っきりの環境にならないようにしていたのに…____


名前は、真島なら大丈夫か…と思い
頷く。


「家呑みが嫌でしたら…キャバクラでも 真島さんの事待ってる子いるみたいですからね お供しますよ?」


真島は、むっとし


「そんなん 必要あれへんわ」


「でも その子真島さんのに好意持ってるんでしょ? 一度相手してやったら責任持たないと…」


「必要ないって言うとるやろーが! 」


真島が大きな声で言う。
名前は驚き


「す…あみません…じゃ ウチでいいっすか?」


頷く真島を後ろにして、名前は歩き出し
神室中央パーキングまで歩く。


名前は、鍵を開ける。


「すみません 小さい車で」


「女みたいな車やな〜」


名前は、乾いた笑いをし


「俺 この車好きなんですよ〜」


真島が扉を閉めたのを確認すると、エンジンを回しアクセルを踏む。


「それじゃ〜 発進します」


真島は、なんやそれ…と言い 笑う。


「そーいや お前何処に住んでんねん」


「神室町から少し離れた 街ですよ〜 アパートですけどね」


ヘヘっと笑う名前。


「ほー… 一人暮らしなんか?」


前を見ながら名前は頷く


「えぇ…あれ言ってませんでしたっけ? 俺家族という家族居ないんですよ 妹は居るんですけど
嫁に行っちゃってますからね〜」


「親がおらんってことか?」


「はい 俺達 施設出なんですよ」


「ほー… まぁ…此処ではめずらしい事やないからの〜…」


「此処って…極道の世界ってことですか?」


真島はニヤッと笑い
よーわかっとるやん と言う。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ