ただただ逢いたい

□どうなっちゃうの? どうなるんや?
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真島と名無しさんはピンク通りを抜けて
ミレニアムタワーの中に入った。


「真島さん……どうしたんですか?
あの……私本当に困ります。」


と真島の背中に向かっていった。
真島はそれに答えずエレベーター乗り場の前に来て上のボタンを押した。


下りてくるエレベーターを待っている間
真島は名無しさんの手は離さず何も喋らなかった。


名無しさんは自分が何をしたのか皆目見当がつかず、ただ真島が何かを喋ってくれるのを待った。


ポーンっと音がして、エレベーターのドアが開いた。


真島は名無しさんをエレベーターの中に押し込めた。
最上階を押した。


個室の中は二人の息づかいだけが響いた。


真島は名無しさんを自分の所に引っ張り
無理やりキスをした。


名無しさんはいきなりの事で目を見開いた。


「ん! !…や…ぁ…」


名無しさんが口を少し開いてしまったその隙に、真島は名無しさんの舌と絡ませた。


必死に真島から離れようと名無しさんは真島の両肩を押した。


真島は名無しさんの腕を高く掴んで真島の左手で固定した。


長いキスが終わって二人の息は上がり、お互いに視線を合わせた。


「……すまん…」


と小さい声で、でも名無しさんの耳には届いた真島の謝罪。


ポーンと最上階に着き扉が開いた時名無しさんは真島を どん と押し


それは真島にとっては小さな力だったが
よろよろっとエレベーターの外に押しやられた。


名無しさんは閉を押した。そして一階を押して、ドアが閉まる瞬間真島に向かって


「バカ! ! 大っきらい! !」


と言って口を拭った。


真島はそれを見送ることしか出来なかった。
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