恋 〜叶わぬ想い〜

□恋 〜叶わぬ想い〜 参
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タクシーを下り、近くのコンビニで色々買い、マンションへと歩き出す


「同じマンションだと色々便利ですよね 私昨日の残り物ですけどあるんで 取ってきますよ」


名前は少し早口になりながら谷村に言う
谷村はクククと笑い出し


「そうですね…そうしてください」


名前は真っ赤になり谷村の腕を軽く叩く
谷村は イテ イテと言って名前の攻撃を止め、手を繋ぐ 名前は、繋がれた手を見て谷村を見る。


谷村も名前を見て にっこりと笑う。
名前は気恥ずかしさから、繋いでいた二人の手を大きく前後に揺らした時


マンションの階段の前に、誰かが居た。


黄色いパイソンジャケット、黒い革パンツ…
_____真島だった。


真島を見つけると名前は歩みを止めそして、待っていた真島も名前の方を見る。


「……真島さん」


真島は二人が手を繋いでいるのを見ると、何も言わず立ち去る。


「真島さん! ! !」


名前が真島に駆け寄ろうとすると、繋がれていた手が名前を離そうとしない。


名前は谷村を見ると、じっと立ち去る真島を見ていた。


「た…谷村さん ごめんなさい 離して! !」


ぐっと力を込めた手をなんとか名前は離れようとする。


「離せるわけないだろ? 俺達これからセックスするんだろう! ! ? ?」


名前は谷村の言葉に驚き、真島を見る。
真島は谷村の声を聞き、歩くのを止め


谷村目掛けて走り出す。


「ふざけるんやないで! ! !」


「真島さん! ! 」


バキッと谷村を殴る。殴られた谷村はすぐさま体制を建て直し、真島を殴る。


「なんなんだよ! ! あんた やっと やっと名前さんが 俺の方を向いてきたと思ってたのに! ! 何で邪魔するんだ! ! !」


「そんなん知るか! ! ワシかてここに来たくて来たわけやないわ! ! 気付いたら来とったんじゃ ボケが! !」


真島は、谷村を投げ飛ばし、口の端が切れた血を拭い、名前を見る。


名前は、真島を見たが、真島に駆け寄りたい衝動を抑え、谷村に駆け寄る。


「だ…大丈夫?」


座り込んでいた谷村に、ハンカチで血を拭う
その姿を真島は目の端に入れながら歩き出す。


カツンカツンと足音が遠ざかる。名前はその音が聞こえなくなるまで、目を閉じ


そして、音がしなくり目を開け、後ろを振り返る。
そこには誰も居なく、寒々しい風だけが吹いていた。


「…手当てしなきゃ…家に来て 救急箱あるから」


名前は谷村をぴっぱるが、谷村は名前の手を振り払う


「行きたきゃ…行けば良いでしょ?」


名前は谷村を見て笑いながら、しゃがむ


「行ってもいいんだ? 私達これからセックスするんでしょ?」


谷村は、ばっと名前の顔を見る。
名前は、泣くのを堪えて谷村の頬を触る。


「……忘れたいの あの日の夜を…そうしなきゃ約束が守れないもの…」


「あの日の夜?」













玄関にさっき買ってきた荷物を置くな否や
谷村は、名前を後ろから抱きしめる。


「…名前さん 今すぐ欲しい」


名前は抱きしめられビクついた。
そして谷村の方へと身体の向きを変え


「…待って シャワー!! んっっっんんっ」


谷村はいきなり力強く抱きしめたかと思えば、深いキスをする。


名前は谷村の両肩を持ち、遠ざけようとするが男の力に敵う我も無く、されるがままになってしまっていた。


谷村は唇を首筋にも寄せ、チリッと少し吸い付く
吸い付かれた名前は慌てて


「待ってそこはダメ! !」

と止めるが、もう薄く首筋に痕がついていた。
ちゅっ…と谷村の唇が離れる。


「まってって…言ったのに…」


ぽかんと胸元を殴る。


「ごめん…だってさ」


名前は一度谷村から離れると、玄関に置きっぱなしになっている荷物をリビングに運ぶ


その後を着いてくる谷村に向かって、


「先に食べる? 私 お腹減っちゃった あ…でも谷村さんの傷の手当…」


谷村は名前の手を取りそのままその手に軽くキスをする。そして上目遣いで名前を見ながら


「もう…我慢できないんだけど? ベッドどこ?」


「あ…あの…」


名前は、ベッドルームを指差す。
谷村はひょいっと名前をお姫さま抱っこして寝室へと運ぶ。


ドサッと名前はベッドに落とされ谷村の顔を見る。


「た…谷村さん あの…シャワー浴びたい…」


「後で 一緒に洗えばいいでしょ?」


じりじりと谷村は名前に近づく
そして、名前に跨り、上着を脱ぐ


下から名前は上着を脱いでいる谷村を見入っていた。


そして、谷村は名前をベットの上に座らせ
名前の服にも手を掛ける。


「あ…じ…自分でぬ…脱ぎますから あっっっ! !」


ぐいっと 服を引っ張られブラジャー一枚になる。


谷村は名前をベッドに倒し、キスをする。


「ん…ん…はっっ名前…名前」


名前は名前を呼ばれ、ビクンと身体が震えた。


_____あの日の夜も名前…呼ばれたんだ……
真島さん…_____


谷村が、名前のブラジャーを取り、胸に触れる。


名前は目を閉じ、涙を流す


___真島さん! ! ! やっぱり_____


「止めて! ! !」


ドンっと谷村を押す。谷村は少し驚きながら名前を見る。


名前は泣きじゃくる。


「ご…ごめんなさい…谷村さん…私」


嗚咽を漏らしながら、谷村に謝る。
谷村は、はーっとため息をつきうな垂れる。


「やっぱりね…俺じゃ ダメって事?」


名前はぶんぶんと首を振る。


「じゃ! ! 何でだよ! ! 」


ごめんなさい…ごめんなさい…としか名前は谷村に言えなかった。


谷村は、服を持ち寝室から出て行った。
そして、玄関のドアの閉じる音も聞こえた。
出て行ったんだろう。
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