恋 〜叶わぬ想い〜

□恋 〜叶わぬ想い〜 肆
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数日後____




「うん 経過は順調のようだね 今日から一般病棟に移っても大丈夫だよ 今ね大部屋がいっぱいでね
個室しか空いてないんだ 大部屋料金にしますのでいいかな?」


「ええ…はい お願いします」


じゃお大事にと言い、医師は他の患者の方へいってしまい 看護師が


「じゃ苗字さん 病室移りましょうか?」


「はい」


名前は、ベットから慎重に降りる。
痛みは引いてきたものの、まだ背中が引きつられる感覚は抜けていない。


「抜糸っていつくらいですか?」


手すりにつかまりながら、廊下を歩き看護師に聞く。


「そうですね。。。また先生にでも聞いておきますね」


にこりと看護師は笑い、新しい部屋のドアを開けようとした時


「名前! ! ! 歩いて大丈夫なの?」


花だった。久しぶり見た友達の顔に名前は嬉しくなり手を大きく振る。


と、バランスを崩す。


「あっ…」


転ぶっ…と思ったとき誰かが名前を支える。


「大丈夫?」


谷村だった。


「あっ…はい」


気をつけてと言い、名前から離れる。


「じゃ また後で来ますね こちら苗字さんの新しい病室ですから」


ドアを開け、看護師は去っていった。


「あ…一般病棟に移れたのきょ 今日から」


「そうか…辛いだろうからほら早くベットに行って」


谷村は、名前を支えて病室に入る。


「はい」


ベットに谷村に座らされる。


「あっ ありがとう…」


「うふふふ やっぱり 恋人同士は違うわね〜」


花は二人を見て怪しい笑いをする。
名前は慌てて、訂正しようとするが


「違うよ 俺達 もう付き合ってないんだ」


「「えっ…」」


名前は谷村を見る。
谷村は、鼻先を掻き照れたように言う。


「付き合ってないの?」


「うん 俺振られちゃったんだよね〜 ね 名前さん」


谷村はニヤニヤ笑いながら名前を見る。
名前は、何と言って言いのかわからず驚く。


「えっ… ごめんなさい」


「いやいや 謝れても仕方ないよ 俺気にしてないから それにほら俺 諦めないっていったでしょ?」


ポンポンと名前の肩を叩く
それは谷村の優しさだった。


それに気付いた名前は、ありがとう と言い微笑む


その姿を見ていた花は


「そっか…そうなっちゃったか そうだよね だって名前 真島さんの事忘れてないもん」


とずばっと言う。
それに、便乗した谷村が


「そうなんですよ 俺 遊ばれちゃってたみたいです」


泣きまねをする。


「ちょっ…ちょっと花! ! 谷村さんまで」


その時、病室のドアがノックされた。
名前は返事をして 相手を招き入れた。


ガラガラと音をたて中へ入ってきたのは
______真島だった。


「真島さん……」








数時間前、西田を見た真島は、先日の事を聞いた


「西田ぁ〜」


西田はパットを綺麗に磨いていた手を休め
真島を見る。


「へい なんですか?」


「お前 この前のアレどないした? ちゃんと渡したか?」


西田は、真島の傍までいき頭を下げた。


「すんません! ! ! 親父 俺にはやっぱり出来ません! ! 親父には嘘をついて欲しくないんです! !」


真島は西田が手に持っていたバットを奪い西田に向かって振りかざす。


「何やってんねん! ! ワシがヤレ言うとるのになんでせーへんねん! !」


「す… すんませ…ん 親父! !」


西田をボコボコにしているのを他のものはただ見ているしかなかった。


「お…親父! ! アニキが死んでしまいます! !」


止めたのは、南だった。
狂気を孕んだ目に南はたじろぐが、真島の背に回り、後ろから止めに入った。


「離せや! ! 南! !」


「離しません! ! 親父とアニキに何があったかは分かりませんが、やめてください」


必死になって止めている南に真島は、急に熱が冷めバットを離す。


音をたて落ちたバットを見て


「萎えたわ あ〜アホらし」


ホッとした南は腕を放す。
その瞬間真島は南を殴り、西田の髪を持ち上げ聞く。


「ほしたら あれはどこにやったんや! ! 」


「く…車に トランクに入っています」


真島は、西田の腹を蹴り事務所を出て行く間際
西田を見て


「おい 誰か西田を 柄本医院まで連れってやれや ワシは出かけるさかい」


「へい! !」


そうして真島は、名前が居るであろう病院へと向かった。
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