恋 〜叶わぬ想い〜

□恋 〜叶う 想い 〜
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「おう よう来たな まぁ上がれや」


冴島の事務所へと名前達は、出向いた。
玄関を上がり、広間へと通された。


そこは、畳が敷き詰める部屋だった。
そして、そこに居たのは


花、秋山、谷村、城戸。今か今かと名前を待っていた。


一番先に気付いたのは、花だった。


「あ…名前! ! 」


席から立ち上がり名前の傍に行き抱きしめる。


「名前…良かった…すっごく心配したんだよ」


花が泣きながら名前を見てそして傍に居る真島と小さい子供をみた。


「真島さんは分かるけど この子はどなた?」


真島がニヤッと笑うと、名前の肩を掴み自分に寄せて


「名前とワシの子やで」


その場にいた一同は、驚く。


「ど…どいう事やねん なんで真島の…」


冴島は、気付いた。


「やからあの時 わしらの前から姿消したんか?
兄弟の子 身ごもったから…」


名前は、頷いた。
冴島は、これで納得がいった。


あの時、目の前から名前が居なくなった理由が


「すみません…皆さんにすごく ご心配お掛けしたみたいで」


秋山が名前に近づく


「そうだよ 俺らすっこく名前ちゃんの事
心配したんだよ? ほら見て? 花ちゃんなんて
心配しすぎであれから激やせ…はしてないか?」


「あ〜き〜や〜ま〜さ〜ん! ! ! もう
すぐそうやって…って名前? やだ 何泣いてるのよ」


「うれしい…またみんなとこうやって会えて…本当に…」


泣いている名前を心配して、航平が
傍による


「おかん…大丈夫か? 誰かに泣かされたんか? 俺が守ったる」


名前は航平に目線を合わせるために、しゃがみ頭を撫で、ありがとう 大丈夫と言い安心させる。


「ね…名前 今夜は名前のために皆集まったの だから呑も! ! お祝いしよう! !」


花に手を引かれ、席に座らせられる。
戸惑いつつ、真島も名前の隣に座る。


「真島さん… 」


ビールを飲みはじめている真島は、名前を見る。


「ありがとう…私を…私達を見つけてくれて」


真島に微笑む。その笑顔は、あの頃の笑顔よりずっと魅力的だった。


ゴクリ…とピールを飲む。
欲情してしまった真島。


何も知らず名前はお酌をするために席を立つ。


まずは、冴島、城戸、秋山、花にお酌をしに回る。


そして、名前は谷村の席に来る。
それをじっと真島は見ていた。


「……谷村さん」


谷村は、名前に微笑み。
コップを傾けた。


名前は、そっとビールを注ぐ


「……待ってたんだけど やっぱり真島さんには 敵わないな」


名前は、注いでいるビールから視線を谷村に向ける。


「え……」


ニッと谷村が笑い、名前もまた笑う。


一時は気持ちが通じ合えるように思った2人だか
やはり自分の気持ちに嘘はつけないと言う名前に


谷村は憤怒もしたが自分も名前を諦めない気持ちがあったので、待っていたが


子供が出来ては、正直もう諦めなくてはならなくなった。


二人にしかわからない時間が合ったことも確かだ。


それを見ていた真島が、すたすたと2人の間に入る。


「お前…まだ名前の事諦めてへんかったんかい ひつこいやっちゃのぉ〜」


「ま…真島さん」


名前は真島を止めようとするが、谷村が名前をとめる。


「待つつもりでしたけど 2人の間に子供がいたなんて…」


谷村は、花の膝ですやすや寝ている航平を見る。


「敵わないです まいりました」


頭を真島に下げる。真島もそれを見てニヤッと笑い勝ち誇る。


「せやろ〜? ワシがこいつを幸せにしたるわ」


ぐいっと自分の方に寄せる。
谷村は少し悔し紛れに


「でも…俺の方が先に名前さんの首筋に痕つけたんですよね? 確か…」


その話を聞いた真島は眉間にそれはそれは深く皺を寄せ名前を睨む。


名前は谷村にしーーっとジェスチャーするが、もう遅かった。


「せやった! ! お前らヤッたんか? あぁ〜?
名前! ! 仕置きじゃ! ! のまんかーい! !」


真島はそこらへんにあったコップで日本酒をなみなみ注ぎ、名前に飲ませた。


時間が経つにつれ、そこいらにいた人物たちは畳の上で死んだように眠っていた。


もちろん真島に無理やり飲まされた名前も例外ではなかった。


冴島は、そこらに寝転がって寝ている奴らに毛布をかけるように組員に言いつけ


まるで自分の孫の様に航平に毛布をかけてやった。
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