青春ライン

□第一話
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『・・・ふ、わぁぁぁ』



思わずでかいあくびが出た。

前の学校で、まあ…所謂不良やった俺は、まともな時間にまともに学校に行ったことは、恥ずかしい話、ほっとんどない。

だいたい、転校したとはいえ、半年やそこらで今までの生活が変わるかっちゅーねん。

軽く何かに対して悪態をつきながら教室に入ると、ひそひそと声が聞こえてきた。



「ねぇねぇ聞いた?」

「早坂くん、また喧嘩したんだって」

「聞いた聞いた!相手は女の子とか!」



――…早坂が?


耳に入ってきた話の内容に、自然と眉間に皺がよる。

実は優しい早坂やし、女に手ぇ出すなんてありえへんけどな…

悶々と考えていると、今話の的だった早坂が目に入った。

え、聞こえとんやない…か?



「やっぱ早坂くんって不良だったんだー」

「しっ!聞こえるよっ」



様子を伺いながら話していた女子達の話は、やっぱり早坂に聞こえとったようで、鋭い睨みを送っとった。

つか、早坂よ…そんなんするから余計怖がられるんやて。



「「ひっ」」



やっぱり睨まれた女子達は、怯えたように身を寄せ合い竦みあがっていた。


――…ほらあ…そんな思いっきり睨んだらまた誤解されるっちゅーの…


…軽く溜め息が出たんはご愛嬌や。



『おはよー、早坂。』

「ん?あ、あぁ…はよ。」



さっきの話を思い出し、ちらっと早坂を見る。
そして、改めて考えが浮んだ。


――…実際喧嘩はしとるし、見た目も金髪やし。
ここに通っとる奴等は皆お金持ちのお嬢様とお坊ちゃん。
悪い意味で、目立つんやろな…



「…何だよ、さっきから。」

『あ?…ああ、悪い。考えごとしとったわ。』



お、おお…いつの間にかガン見しとった…気をつけなな。

自分の中で軽く反省しつつ、早坂の斜め前の席に着く。
すると、さっきまでどっか行っとった眠気がまたやってきた。

特にすることもないし…寝るか。

机に突っ伏した時、教室の扉が開く音した、けど…あかん、眠い…

そのまま意識はブラックアウトした。



「転校生の黒崎真冬さんです。」











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