BLEACH短編

□不思議なテレパシー
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一護は翌日に提出する数学の宿題を終えてシャーペンを筆箱へとなおした。
今日はもう寝てしまおうか。

そう迷っていた時。
ふと湧が自分を呼んだ気がした。

音を立てない様に部屋を出て、隣の湧の部屋の様子を伺う。

電気は消えていてもう寝ているようだ。

「入るぞ。」

一護は小さく断りを入れてから扉を静かに開けた。
そのままするりと部屋に入り込むと上下するベッドの膨らみへと歩み寄った。

一護は寝ている湧の顔を覗き込んだ。
変わった様子は見られない。

しかし一護には湧が自分を求めた確信があった。

それが痛みや悲しみを伴わないものであったとしても、この愛する片割れが自分を求めたのだとしたらそれを放っておくことなど出来なかった。

「触れるぞ。」

一護は温かな布団の中に手を入れて出来る限り優しく湧を抱き上げた。
寒かったのか湧は一護の胸に顔を擦り寄せる。

朝になったら鳴るはずだった湧の目覚まし時計をOFFにして一護は自室へと戻った。

自分のまだ冷たいベッドの壁際に湧を寝かせると遂に彼女は目を覚ました。

「わりぃ、起こしちまったな。」

一護は湧を温めようとベッドに入り掛け布団を被った。

『一護、何、してる、の…⁇』
「ん?」

一護は体制を整えようと湧の頭の下に自分の腕を入れた。

『寂しく、なった…??』
「いや、湧が俺を呼んだ気がして。違ったか?」

反対の手で湧の手を握る。

『一護が、そう、言うなら、きっと、そうだ、よ。』

湧は掠れた声でふふふと笑うとキュッと繋がれた手に力を込めた。

『じゃ、今日は、ずっと手、繋いでて。』
「あぁ、もちろんだ。」




不思議なテレパシー




(いつまであの二人は一緒に寝るんだろ…。)by夏梨



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欲望を書き殴っただけっす。


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