BLEACH中編

□これからはずっと
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『ギンみーっけ。』

木の上で葉に覆い隠されて目を閉じているギンを発見した。

「あ、見つかってしもうた。」

うっすらと目を開いてギンは残念そうに言う。

『ふふふ、霊圧探査は得意ですから。さ、戻りましょう。』
「嫌や、僕まだやる気でぇへん。湧ちゃんちゅーして。」

またこの人はとんでもないお願いをしてくる。

『ダメですよ。さぁ行きましょう。』

でもギンはイヤイヤと子どものように首を振って動こうとしない。

『もう、イヅルに怒られますよ。』
「湧ちゃんは僕よりイヅルなん?」
『いや、そういうわけじゃなくてですね。』
「ええもん。ずっと三人で仲良うしてたのに、戻ってきたら何や僕だけ仲間外れや。どうせ僕なんか…んっ!」

私はギンの言葉の続きが聞きたくなくてその薄い唇に自分の唇を押し付けた。

そしてゆっくり離れる。


「なんで…こないなことしたん…?湧ちゃんイヅルと付き合ってんねやろ?」



ギンの戸惑った声。


『ギンが大切だからです。』



ギンが遊びやからかいじゃなくて、本当に求めてるのだとしたら。
私が彼の寂しさを忘れさせてあげれたらいいなって、そう思ったから。


『愛の形は違うけれど、私はギンのこともイヅルのこともずっとずっと、何年も前から大切に思ってます。今だって。』


ギンが俯いた。



「ごめんなぁ。」

小さな謝罪が聞こえた。

「キスなんかさせて。僕分かっとらんかったみたいや。」
『いいですよ。分かって欲しくてしたんですから。』

優しくギンの背中を撫でてあげる。
私だって彼の気持ちに気づいていたのに今まで何もしてあげれなかったのだから。



『イヅルには内緒ですよ。あの人意外と独占欲強いですから。』
「ほんま、僕侘助の餌食になってまうわ。」


もう少しここにいたいと言うギンのわがままを聞いてあげた私。

葉が日光を遮ってくれるからとても涼しい。

ギンと並んで足をぶらぶらさせて、今頃イヅルは何やってるんだろうねと笑い合った。

「僕な、幸せやで。」
『私も、幸せですよ。』
「イヅルも幸せかな?」
『はい、きっと。』


ギンが戻ってくると知った時のイヅルの顔を見せてあげたい。

三番隊のみんなの顔を見せてあげたい。


『イヅルの幸せのためにも戻ってあげましょう?』
「そやな。」


二人で仲良く木から飛び降りて、さぁ三番隊に帰ろうか。

そしたらきっと遅かったねとイヅルにお小言をもらうんだ。


『ギンって私たちの子どもみたいですね。』
「えー僕あんな暗いお父さん嫌やわぁ。」
『あはは!』


そしてこんな幸せが今度こそずっとずっと、続けばいいのに。





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