海賊パロ原稿
□一緒に眠ろう
5ページ/6ページ
*4人目*
今日は雨も降ってるし風もけっこう強い。
私ほどにもなれば船が揺れても気持ちよく寝れるんだけれど。
今日はみんな船内にいるだろうな。
もしかしたら雨の日にしか釣れない魚がある、とか言って釣り糸を垂らしてる人もいるかもしれないけど。
人が多いから船内は鬱陶しいし今日はもうずっと部屋待機だと決め込んで、ベッドでぬくぬくと丸まっていると、部屋の扉が開いた。
何も言わず勝手に部屋に入ってくる人1位、宮地清志。
「湧。」
ほら、やっぱり宮地さん。
「湧。」
『ぐっ…!』
しかも豪快に覆い被さってきた。
『嫌だ、だって食堂人だらけでしょ。』
「うるせぇ。」
えっ。
なんで怒られたんだ。
この人私を部屋から出しに来たんじゃないのか。
窓の外で風がゴーッと鳴っている。
宮地さんは布団ごと私に抱きついたまま動かない。
まあ静かにしててくれるならいいや。
ちょっと重いけど。
『もっとちゃんとベッドに乗ったら?』
「お前俺が男で自分が女なの知らないだろ。」
文句を言いながらも宮地さんは靴を脱いでベッドでちゃんとあがった。
そしてやっぱり私を布団ごと抱きしめた。
『天気はどうなるの?』
「黛が夜には良くなるって言ってた。」
そっか、そしたら夜は外に出られるかもしれない。
宮地さんが布団に顔を埋めるから少しくすぐったい。
『なんで来たの。』
「別に、来たかったから。」
あれ、なんか子どもみたいだな。
いつだって傍若無人な宮地さんだけど、今日は少し子どものわがままみたいな感じがする。
…まあなんでもいいや、一緒に寝よう。
寝るのってすごく大切なんだよ。
人間睡眠が足りてなかったらイライラするししんどいし、辛くなってくるんだよ。
眠れるって幸せなんだって。
結局夕方になるまで宮地さんは私に抱きついたままぐっすり眠っていた。
→→next page