青風と七武海

□ゲーテ格言シリーズB
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*七武海になる直前の話




うるさい町の大きな飲み屋で男たちに絡まれていつも通り軽くあしらうとなぜか逆上されて武器を持ち出してきた。

お酒を楽しんでいた一般人もいるというのに何と野蛮な行為だろうか。

目の前の名も知らぬ敵は私がどこの海賊団にも属していないと知ると、面白いほどよく聞く言葉を口にした。
正確には有給休暇中の海兵だから海賊でもない。

「嬢ちゃん1人かァ!今謝るなら許してやるぜ!」

何も言う気が起きなくて黙って蔑む様に視線をやると

「グランドライン舐めてたらこういうことになるってこった!」

数人で武器を構えて近づいてくるから間違いなく私を倒そうとしている。
こっちから何か危害を加えたという訳ではないのに。

「嬢ちゃん弱そうだからな!殺すのはやめといてやるよ!俺らはそんなに無慈悲じゃねェ。」
「ま、その代わり大人しく捕まってもらった後は…へへへ。」

男どもがゲスな笑いを浮かべて顔を見合わせている。
まぁ、性奴隷にでもなれってことか。
よくて奴隷だろうなぁ。

「まだ幼いが美味そうだ!」
「処女なんじゃねぇか?!」

あからさまな言葉に思いっきり顔を顰めてしまった。

「おい。」
出来るだけ殺気を込めて言葉を発すると男たちの下品な笑いが止まった。
「お前らにいい言葉を教えてやろう。」

背負っていた刀を抜けば刀身の美しい輝きに思わず悪い笑みを浮かべてしまう。

「"戦の前に敵を見くびるのは愚かなことであり、勝利のあとで敵に追い討ちをかけるのは
卑怯なことである"」

ポカンとした男たちに向かって刀を一振りする。
こんな奴らに能力を使う必要もない。
久々に刀だけで相手しても面白いだろう。

「お前らみたいなのが海賊やってるなんて腹立つんだよね。」

はっきり言い放って右側に立っていた2、3人を一気に斬り捨てるとやっと目の前の男たちが動いた。

途中、バラバラとどこからともなく仲間と思われる男どもが現れて、誰も戦う相手がいなくなって周りを見渡してみれば結構な数を倒していた。

突然後ろで音がしたので振り返ると今まで相手をしていた様な見るからに小物な海賊とは格の違う男が立っていた。

「お前、1人でやったのか?」
「そうだけど、何?まさか船長じゃないよね?」

この男がさっきまでの奴らの船長だとは思えなかったが一応聞いてみるとハッと鼻で笑われた。

「俺の船にこんなつまらねぇ奴はいねぇよ。」
「だよね…もしかして初めから見てたの?」
「いや、ここから逃げてく奴らに事情を聞いた。」





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