ONE PIECE短編

□彼女の片割れ
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ユウはベッドの上で寝返りをうった。
手には雑誌。

最近大人っぽいファッションにはまっている。
白シャツとか上手く着こなしたいと思っている。

ユウはゲームをしている彼に声をかけた。

「ねぇ、キッド。」
「あぁ?」
「私さ、白シャツか黒シャツどっちが似合ってると思う?」
「難しいこと聞くな。俺は黒シャツに白いパンツとか好きだけどな。」
「キッドの好みなんて聞いてないもん。」
「…別にいいだろ。俺と1番一緒にいるんだから俺の好みで。」
「…何か違うと思うんだけど。」

ユウは読み終わった雑誌を放り投げて伸びをした。
部屋着のスカートはキッドの要望通り短い。

「おい、見えんぞ。」
「今更だよ。」
「確かにな。」

その時、家のチャイムがなった。

誰かが来たようだ。
母親が通したのか誰かの足音が二階のキッドの部屋を目掛けて階段を登ってくる。

「誰だろ?」
「誰ってアイツだろ。」
「やっぱり?」

コンコン

「おぅ、入れ。」

バタン

「邪魔す……ユウ!!」
「キラーお久しぶり。」

ぼふん、とキラーの長い前髪の下の顔が赤くなった。

「男の部屋でそんな格好をするものではない!」

「男って…キッドだよ?ただのお兄ちゃんだよ?」
「おい、ユウ、ただのお兄ちゃんって何だ!こんなにも素敵な兄に向かって…。」
「まぁかっこいいのは認めるけどね。」
「当たり前だろ。双子の片割れがこんなにも美人なんだからな。」

キッドはゲームを置いてベッドのユウの横に倒れこんだ。

「もう、暑い〜。」
「うるせぇ、こっち来いって。」

イチャイチャし始めた二人を見てキラーは脳の欠陥がブチ切れそうになる。

「おい、キッド。お前は人の女になにを…。」
「人の女?こいつは俺のだろ。」

心底訳が分からないという顔でキッドはキラーを見る。

「あのなぁ…もういい。」

諦めたキラーはユウの手を引っ張って立たせた。

「どうしたの?」
「俺の家に行くぞ。」
「え、キラーの家?」
「ここにいるとキッドが邪魔だからな。」
「ふーん、分かった。」

ユウは素直にキラーについて行く。

その二人の背中に向かってキッドは叫んだ。

「おい、キラー!ユウ喰ったら感想教えろよ!!」




ついに、キラーの全体毛が逆立った。


「ま、今のはキッドが悪かったと思うよさすがに。」


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