ONE PIECE短編
□何もない日
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何もない日。
私はキラーに後ろから抱き締められてボーッとしていた。
ついでに場所はキラーの部屋。
何もない日。
遠くの船員の笑い声が聞こえるくらい静かな部屋。
何もない日。
何も無さすぎていつもは考えないことにまで思考が及ぶ。
そしたら何だか切なくなってきた。
不意に、キラーが私の体をクルッと反転させた。
キラーの顔…マスクが見える。
そしたらなんだかもっと切なくなってきた。
「…ユウ?難しい顔をしているが…どうした?」
キラーが首を傾げる。
『キラーが…好き。キラーが好き。キラーが好き。』
顔こそ見えないが、キラーが驚いたのが分かる。
『キラーが好き。キラーが好き。何度言ったって言い足りないくらいキラーが好き。』
キラーがピクリと動く。
『好き過ぎて切なくなる。キラーとの時間は実は甘い夢なんじゃないかって。』
「ユウ…。」
『私、キラーがいなくなったら生きられないんだろうな。毎日ずっと一緒にいてもキラーが足りないのに、いなくなっちゃったら私きっと死んじゃう。』
キラーは私を少しの間見つめた後、マスクをずらして私に優しいキスをした。
「ユウ。俺だってユウがいなければ生きてはいけない。そんなものお互い様だろう。」
そう言って、キラーは私をゆっくり抱き締めた。
強く強く。
息が出来ない程に。
目を閉じて、一心に感じる。
目の前のキラーという存在を。
何もない日
「今ので俺は充分に足りたのか?」
『ううん。全然。』
「そうか…。…ならば今夜は楽しみにしていてくれ。俺が足りないなど言わせないくらいに愛してやる。」
『……。』