黒バス短編原稿

□全部、ひっくり返った
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○○ちゃんって年上の男の人にランチ奢ってもらうらしいよ〜。
へぇ、そういうのってあるんだね。

私もそう思ってた。
あるにはあるんだろうけど、私は普通の女の子で。
ちょっと可愛くって綺麗にしていたって、それは周りの子も同じ。
私は何も特別じゃない。


けれど目の前の男の人にとってはそうじゃないらしい。


私は特別な人、なんだって。



スーツを着てるくせに、目が見えないほど長い前髪、それに好印象とは言い難い明るさ。

なのに彼は私を見てまず財布を出した。
何をしていいか分からず本能で出したらしい。
そしてすぐに我に返ってさすがにこれはない、とカバンにしまった。

「ランチ行かない?奢ったげる。」
『どうして?』

どうして…?
彼は黙った。
絶句してると言った方が正しい。

髪で顔の半分が見えないのに驚くほどに分かりやすい。

言いたいことがあるなら言えばいいのに。
大人の事情は複雑らしい。

「俺はあんたに何をすれば特別を与えてあげられるか分かる?」

どうやら彼は私を特別扱いしたいらしい。
そして現金を手渡すのは直接的すぎるらしい。

『特別扱いされたことないから分からない。』

目の前のお兄さんは戸惑った顔でそりゃそうだね、うんうんと呟いた。

私は唐突に、こんな平凡でありきたりな自分が誰かの、いやこんなに奇抜で女性慣れしてそうな人の特別であるらしいことがとてつもない奇跡のように思えてきた。
だってずっと、私も誰かの特別になってみたかった。
燃え上がるような想いをしてみたい。
この人なら与えてくれる。

『あなたは特別な人に何をするの。』

教えてよ。
あなたが思う特別を私に与えてよ。

自分が誰でどう必要とされているのかが曖昧なこの世の中だからこそ。

目の前の人に手を差し出した。


自分が"今ここに立っている意味"を初めて意識した。

私はこの人に求められて今ここにいるんだ。


繋がれた手は裏切らない、それだけははっきり理解できた。

それは、この人が私を特別に思う語れない理由と、きっと根っこの部分では同じなんだ。


「あ、原一哉。原一哉って言うの。」

付き合った女性の数は数え切れない、けれどあなたに恋をしました。

初めての本気の恋です。

『一哉さん。私は湧っていうの。』




口付けは、ファンキーなガムの味がした。




一哉さんの手によって私はいとも簡単に、片膝に乗せられる。

まるでおもちゃのように簡単に体を操られた時、何か大きなものに支配される心地よさを感じた。

頬に手を添えると反対の頬で擦り寄られる。

髪がくすぐったくて気持ちいい。

『猫みたい。』
「なってあげる。」
『元気すぎるのはイヤ。』
「りょーかいっ。」

ほぼ真上から降りてくるキスに応えていると服がスルスルと溶けていった。

黒いキャミソールの肩紐の部分を指が這う。

思わず体を震えさせたというのに、一哉さんはもう下からキャミソールの中に両手を突っ込んでめちゃめちゃに私の体を撫で回した。

震えが止まらない。

『あぁ…あぁっ。』

キャミソールの下でブラが外された。

着たままが好きなのだろうか、乱していくのに肌を露わにはしないらしい。

一哉さんの手がついに私の胸を覆った。

荒い息と共に情熱的に揉みあげられて、私はビクビクと震えながら大きく体を反らした。

片手でキャミソールを胸の上までたくし上げられ、隠すもののなくなった胸を一哉さんの目の前に突き出す。

感極まったような声が一哉さんから漏れた。

「ねえ、可愛すぎるんだけど…。」

一哉さんは夢中でしゃぶりついてきた。

ぐちょ、ちゅぱっと下品で恥ずかしい音を立てながら夢中で吸い付いている。

自分の胸がこんなに綺麗な男の人に吸われるなんて。

信じられないほど興奮する。

体の芯が熱くなって、ねぇはやくもっと奥まで触って気持ちよくしてよ。

「ここ、濡れて真っ赤になって…。」

柔らかい声が甘く震えた。


えっちだね。


堪らずスーツの前を押し上げる膨らみを指で刺激する。

「ちょ、ダメだって…!」

10本の指をバラバラに動かして、遊ぶように刺激する。

「はぁ、はっ、ぐッ…!」

一哉さんは歯をくいしばって私の手を退かせ、今度はスカートの中に右手を突っ込んだ。

下着の布の横から指が滑り込んでくる。

やっと奥に触れてくれる。

熱くてはやく触って欲しくて。

指がちゅるりと濡れた割れ目をくすぐった。

「ぐちょぐちょ。」

嬉しそうに笑う一哉さんに胸がきゅんとする。

押し当てられた人差し指はいつ入ってくるの。
はやく、ねえ焦らさないで。

『一哉さっ、やめてはやくっ、ーーっ、ぁ、あ、あーーっ……!!』


ズブズブと指がいっぽん。


指を入れたまま一哉さんが私を抱きしめる。

その衝撃でまた指が奥に押し込まれた。

『ぁ、あんっ…入って、なか、指が…。』

「うん、気持ちいいね。」

くにくに、と中で指が壁を引っ掻く。

「ほら、気持ち良いっしょ…?」
『あ、んんっーー、きもちいい、きもちいいの…!!』

抜き差しするのではなく探られるように壁の色んなところを擦られる。

それが堪らなく焦ったくて気持ちいい。

「えっちな顔……もっと気持ちよくなろーね?」

指がもう一本。

ぶちゅっといやらしい音を立てながら抜き差しが始まる。

『あ、あん、あっ、かずやさん、ひっ、あーーっ!!』

ほら、気持ちいい気持ちいいと。

幼い子に言い聞かせるように一哉さんは私の耳に囁き続ける。

気持ちよくなっていいんだ。

「うん、当たり前じゃん。上手に気持ちよくなれて偉いね、可愛い。」

あんあん声を漏らしながら仰け反らせた私の喉に一哉さんが舌を這わせた。

やめてもっと気持ちよくなっちゃう。

「今締め付けたよ。舐められるのも好きなんだ?」
『あ、やだやだ、気持ちいいの…!』

尖らせた舌で喉の下を強く刺激されると体が震えて止まらない。

「イッちゃってよ。さあ…。」
『やだぁ…!も、きもちいい、死んじゃうぅ…!』

一哉さんの指がイイところをごりごり擦る。

『あぁ…!イクっ、イッちゃうーー!!』

腰をガクガク突き出しながら全身でイッた。

大きな手で背を支えられ、体を反らせたまま荒い息を繰り返す。

「可愛い、ほんと可愛い…。」

一哉さんは片手で私の上体を支えたまま、快感に震える私をジッと見つめている。
目が見えないから分からないけど、でも気持ちは手に取るように分かるんだ。

右手が抜かれた。

「俺の指じゃダメだね。ちんこの先って柔らかいからトントンしたら最高らしいよ。ね、してほしいでしょ?」

最高、なんて笑っちゃう。
一哉さんがベルトに手をかけた。

特別をもらうの。

「こんなのが特別なんて、そんなわけないでしょ。」
『そうなの?』

紫色のトランクスの上からでも勃ち上がったモノの形がくっきり分かってしまう。

あまりにも立派でまじまじと見つめているうちに、気がついたらそれは私の体の下までやってきていた。

柔らかな口に一哉さんの硬いものが触れる。

さすがに、初めての経験で恐怖が勝った。

『あっ…ちょ、待って…!!』
「ん?待ったげるよ。」

絶対嘘だ。

だってお願いしたそばから一哉さんは口元を緩ませて、腰をゆるゆる動かしている。

入り口にぬるぬると擦り付けられて、間違えてうっかり入っちゃいそう。

『やだ、あっ、入っちゃ、や、や…!』

ほんとは入れて欲しいのに。

少女だから恥ずかしいの。

「ほらほら、入っちゃいそうだねー?いつまで、我慢、出来るかなっ…!」

一哉さんはついに、ほんとに入れてるみたいな腰つきで私の入り口目掛けてちょんちょんと突いてきた。

『あ、入っちゃ、入っちゃうの…!!』

もう脳みそがいつ入ってくるかしか考えられない。

「ほら、いくよ?」

せーの、なんて。

一哉さんが耳元で囁いた。

そのえっちな声に喉がふるりと震えた瞬間。

ズチュッ!と体に叩き込まれる衝撃。


『ひ、やあぁあああああ…ッ!』


頭は真っ白。

目の前にある一哉さんの口が笑った。

「今、イった?ほんと、死ぬほど、可愛い、ねっ…!」

イッた?今のイッたの…?え?え?

痙攣したように体がガクガクするの、止まらない。

「偉い偉い、上手にイケたじゃん。」
『じょう、ず?』
「うん、とっても。めちゃめちゃ可愛いよ?」

ビクビクする私の体を一哉さんが撫で回す。

「てかそろそろこっちも我慢きかなくなってきたんだけどっ…!」

一哉さんの腰がゆるゆる動く。

『あっ、あん、やらぁっ、』
「気持ちいいでしょ?あ、俺も、感じてっ…!」

下からズンズン突き上げられる。

脳みそも体もぐらんぐらん。

何一つ自分の思い通りに動かない。

突かれるたびに大きな声が出ちゃう。

なんの抵抗もできずに、ただ一哉さんにめちゃくちゃに揺さぶられるだけ。

『とめ、て…まっ、あんっ、』
「んっ、あ"っ、ムリっ…!」

もう分かんないよ。
イッちゃう、なにこれ、気持ちいいよぉ。

『あ゛…ぁ…ッ…ぁあああっ、また、……また、イクっ…!』
「ほら、イッちゃえ?」

一哉さんが笑って、ガツンと奥に腰を叩き込んだ。

その瞬間、私はまた絶頂していた。

『いやぁあああああ、あ…〜〜〜っ!!!』
「あっ…湧ちゃん…!」

閉じてくれない口から叫び声を上げながら、一哉さんの膝の上でびくんびくんと体を跳ねさせる。

「またイッちゃったね。」

俺のお膝の上であんあん喘ぎながら上手にイッちゃったね。

『あっ、あ、あ…ッ』

囁き声に合わせて漏れる一哉さんの息。

中がきゅんきゅんしてる。

『も、やら…いらないの…、ぅんっ…』

一哉さんの胸も荒い息と共に上下していた。





特別ってなんだろう。

これで特別は手に入れられたんだろうか。

充足感に溢れた脳みそで必死に考える。


「ねえ、お願いがあるの。」

さっきまでめちゃくちゃに交わっていたのに、真面目なトーンで一哉さんが言う。

「俺の目を見てほしい。」
『目?』
「そう、瞳。」

そう言って、一哉さんはゆっくりと前髪をあげた。

とんでもない秘密があるのかと思っていたけれど、そこにあったのは綺麗なオリーブ色の目だった。

思わず息を飲む。

「やだ、ねぇ、変って言わないで。逃げないで…。」
『変じゃない、変じゃないよ。綺麗。好きだよ。』

首に腕を回す。

裸の胸と胸が合わさる。

一哉さんの分厚い胸板の下にある心臓が、ドキドキしている。

「初めて見せたの。」

じゃあ特別だ。

『嬉しい。』
「…幸せだね。」

一哉さんが言うならそうなんだろう。

私もきっと幸せなんだ。

二人で一緒に幸せになれるなんて、なんて素敵なことだろう。


こういうのって、きっと特別なことなんだ。

二人で特別を共有できたんだもん。


『私も幸せ。』


幸せって、こういうことなんだ。

知らなかった、一哉さんに教えてもらった。


「よかった。湧ちゃんは俺の運命の人だよ。」


一哉さんが微笑んだ。


「一生そばにいて。離さないでね。もう湧ちゃんしかいらないよ。」








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1つ言っておきますがこれはファンタジーエロです。処女で挿れられた瞬間にイくとか確実にないですマジでいくら原でも。
支部に似たようなへしさにがありますがそれは私です。改変しました。

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