BLEACH中編

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あの任務から帰ってきて暫く経った。
平子隊長は任務のことは何も聞かなかった。

聞かれたとしてもキスしかしてないし、あの後も二人とも気を張っていたからか疲れて一瞬で寝てしまった。

根掘り葉掘り聞かれるのもめんどくさいなと思っていたのだが、こんなにも触れられないと逆に不安になってくる。

コッソリ平子隊長を盗み見るとお昼ご飯を食べた後で眠いのか、大きな欠伸をしていた。

緩い隊長だな。

そういや朽木隊長って人生で欠伸したことあるのかな。

「なァ、湧。」
『…はい、なんでしょう。』

盗み見ていたのがばれたのかと焦った。

「湧って最初からずっと九番隊やったん?」
『そうですよ。』
「藍染が湧らの代の出来る奴まとめて五番隊入れたとか聞いたんやけど湧って次席やったんちゃうん?」
『あぁ…たぶん、出来る奴じゃなくて"実力があって使える奴"の間違いですよ。私、手駒として使えないと思ったんでしょ。』

確かに精神からの支配を考えた時に選ぶのは桃やイヅルのような純粋な子なんだろうな。

「なるほどな。確かにお前は選ばんわ。」
『元々私も九番隊を志望してましたし。それで恋次みたいに五番隊に一瞬でも入れられることもなく、初めから九番隊だったって訳です。』

今思えば東仙隊長の下だったのだから一応藍染の息のかかっている所に入ったことになるのかもしれない。

でも市丸隊長の下についたイヅルとは違って全く利用されていなかったと言っても過言ではない私。

それは藍染にとって利用価値すらなかったのかもしれないし東仙隊長の愛かもしれない。

でも過ぎてしまった今となっては部下を大切にしてくれた東仙隊長を信じてる…信じたい。

「で、十一番隊と仲ええのは何でや?」
『九番隊三席の時に同じく三席だった斑目一角と仲良くなって、剣術じゃなくても強くなりたいなら相手してくれると。』

そう、剣術だけではない。
というか私の斬魄刀を考えると剣術よりも他に重点を置くべきなのだ。

「十一番隊で剣術以外って…何の修行してんの?」
『…体術ですよ?』

もちろんバランスよく全部出来た方がいいから剣術もやってるけどね。

「まだ湧の始解すら見たことないんやけど。」
『機会がないですから。』

っていうか、始解すらって卍解出来ないの知らないのかな?


『あ、隊長。ちょっと出ます。』
「どないしたん?」
『ただの書類です…ちょっと散歩も…。』
「…はァ?!待ち!!」



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