■連載小説「トリプル・トラブル」
□休暇の過ごし方(前編)
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3人のランボが揃って2週間、3人のリボーンが揃って1週間が経った。
ランボだけでなくリボーンまで3人揃った事で、最初は周囲に混乱が起こるかと思われたが、さすがに二度目という事もあって皆は冷静に適応してしまった。まったく慣れとは恐ろしいものである。
21歳リボーンと1歳リボーンも、大ランボと子ランボの時と同様に呼び名を変える事になり、
1歳リボーン=子リボーン
11歳リボーン=リボーン
21歳リボーン=大リボーン
となった。
だが、子ランボだけはそれが覚えられず、子リボーンを変わらずに『リボーン』と呼び、リボーンを『小さいリボーン』、大リボーンを『大きいリボーン』と呼ぶのだった。
住む場所もボンゴレ屋敷の中に用意され、3人のリボーンと3人のランボがボンゴレ屋敷で一緒に住むというまったく奇妙な構図が実現されたのである。
だが、子リボーンはこの事に対して不満を隠そうとしなかった。ボンゴレ屋敷に住むという事はまったく問題無かったのだが、子リボーンは個室ではなかったのである。
本当は子リボーンも個室を用意されたのだが、ホームシックにかかっていた子ランボが子リボーンと別室である事に不安を覚え、子リボーンが部屋に入っていく際にスーツを掴んで離さなかったのだ。
その為、子リボーンと子ランボとランボが同室になり、大リボーンとリボーンと大ランボが個室を割り当てられたのである。
この部屋割りに子リボーンは「何で俺が格下どもと一緒にいなきゃなんねぇんだ」と不機嫌になったが、ランボとしても「何でオレばっかり……」というのが本音だった。
ランボは子リボーンに頭をフォークで刺された事もあり、情けない話だが少し怖いと思ってしまっているのだ。
しかしそんなランボの心情を知ってか知らずか、大リボーンと大ランボの年長者二人組は、子ランボが子リボーンのスーツを離さずに泣き喚いている光景を見て、「可愛いじゃねぇか」や「苛められても子リボーンが良いなんて、5歳のオレって健気だよね」とどこか満足そうな表情で見守っていただけなのである。
こうして多少の悶着はあったが、これも全ては子ランボのホームシックの為に通されてしまった部屋割りなのであった。