一緒にいる時間は一日30分まで。 それ以上は隊員たちに怪しまれるし、お互いに忙しいんだし。 ケロロがそんなことを言い出した時も、クルル曹長は顔色一つ変えなかった。 おいおい、たった30分でナニが出来んだよ。 隊員共が怪しむって?なんなら証拠DVDをバラまいたっていいんだぜェ?ク〜ックックックッ。 忙しい?俺様はともかく。 ああ、アンタは遊びも仕事も区別がねェもんな。 という本心は心の声で語っていたが。 「了解〜」 とだけ言い残してそっぽを向く。 じゃあ今夜0時にラボへ来いよ。 とも付け加えて。 「あ…うん、わかった」 呆気ないくらい、簡単に了承してくれた。 正直言って、「おいおい、たった30分でナニが出来んだよ。隊員共が怪しむって?なんなら証拠DVDをバラまいたっていいんだぜェ?ク〜ックックックッ。忙しい?俺様はともかく。ああ、アンタは遊びも仕事も区別がねェもんな。」くらいの反撃は食らうと予想していたのだが。 クルルは、それでいいんだ? 何となく、淋しかったりするのは自分勝手だと分かっているが。 クルルは、それでいいんだ。 クルルも、ではなく。 自分が言い出したことだから、とりあえずは実行するしかない。 それも、今夜から。 クルルの本心はケロロの予測どおりだったが、ソコから先がクルル・オリジナル。 そう思うだけで終わらない。 黄色い恋人はもっと手強いことを、ケロロはイマイチ把握しきれていない。 『half-hour』 それで約束の午前0時。 クルルズ・ラボでは臨戦態勢が整っていた。 ケロロを手招きする男は、既にベッドの上にいる。 ラボの中央に置かれた、昨日まではなかったベッドの上で、だ。 「…いつの間にベッド?」 「ク〜ックックックッ…アンタのために用意したんだぜェ〜寝心地は自分のカラダで試してみな」 クールで無機質な室内にでーんと鎮座するベッドは、ケロロ愛用の自室のベッドよりもひとまわり小さい。 ラボの空間にあわせたオリジナルサイズなのだろうが、ケロン人が二人で寝るには少し狭そうに感じた。 片膝を乗せれば、キシッと小さな音が聞こえる。 スプリングは…まぁイイ感じ。 体重をかければ適度に沈んで、ケロロの足が移動すれば、へこみも適度に移動する。 「イイ感じだと思うんでありますが…二人で寝るのにはちょっと狭くない?」 と正直な感想を述べれば。 「寝る?アンタと30分イチャつくだけだったら、十分だろ〜」 とイジワルな答えが返ってくる。 確かに30分と言ったのはケロロである。 言い返せるものではないが、それにしてもイチャツキをするのには短い時間を言ってしまったと今更ながら後悔した。 ここでいきなりもう少し延長しない?と提案してみたところで、素直に頷く男ではないのだが。 覆い被さってきた黄色い身体を両手で受け止める。 両足を広げながらチラリと見たラボ内の時計は「0:01」。 その不自然さに気が付くより前に、ケロロは胸元を吸われ首を仰け反らせた。 |