めだか箱

□天秤
2ページ/5ページ

ある晴れた日の事、四時限目終了のチャイムが鳴り生徒たちは皆思い思いに昼食を食べ始める。
そんな中、一人の青年が弁当を『二つ』抱えて廊下を走っていた。
無論、そんなことを認めないのが風紀委員会だ。風紀委員、鬼瀬針音が走っている人吉を見つける。

「こらぁぁぁ!!人吉君!!廊下を走るなぁぁぁぁぁ!!」
だが人吉をそんな忠告をものともせず走り去る。いくら風紀委員と言えども人吉の強靭な足腰に匹敵するのは難しい。鬼瀬は直ぐに息が切れてしまった。
深い深呼吸を繰り返しながら鬼瀬は考えた。
「人吉、あんなに急いで何処行くんでしょう…生徒会室はあっちだし、人吉先生は今日は御休みだし…」
だが、その考えは雲仙の登場により思わぬ方向へ傾く事になる。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ