めだか箱

□『いい人っぽいね』
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 雨が降っている。天気予報では30%だったから傘を持って行かなかった。
人吉善吉はびしょ濡れになりながらいつもの帰り道を歩いていた。阿久根先輩は鍋島先輩のところへ、めだかちゃんと喜界島は二人ではやりのカフェとやらに行った。たまには女同士遊ぶのも良いだろう。
だが・・・せめて誰かと一緒に帰るべきだと思った。
雨は強くなってきている、帰るまでに風邪を引きそうだ。
「寒っ・・・て箱?」
目の前には漫画にありそうな「みかん」と書いてある段ボール箱があった。
おそるおそる開けると中には黒と白の斑模様の猫が居た。善吉を見るなり「ニャー」と鳴いた。元気なようだ。
クリクリとした瞳・人なつこい性格・・・
「禊に似てる・・・。」

『呼んだ〜?』
「へっ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁいい居たのかよ禊!!!!」
『居るよ★。』
「何してんだよっっっ」
『そうだ!善吉ちゃんも見る?今月号!高かったんだけど表紙の子が善吉ちゃんに似てたから買っちゃった。』
そうやって球磨川が見せたのは“月刊男の娘”たしかに善吉に似ていなくもない。
『、でどうするのさ。その猫。』
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