HP
□1
1ページ/2ページ
「さて、新入生の組み分けが終わったところ
じゃが、今年はもう1人、組み分けの必要な 者がおる。名無し、入りなさい」
大広間の奥の扉を開けて出てきたのは、1人の
端麗な顔立ちをした少女。
「転入生の名無し・名無しじゃ。
3年生になる。名無し、自己紹介を」
生徒たちの好奇心の目が名無しに集中し、
大広間が自然と静かになった。
「元ダームストラングにいました。よく食べ、
よく遊び、よく寝ることが身長を伸ばす秘訣
だと思います。どうぞよろしく」
大広間は静かなままだったが、ダンブルドア
だけは爆笑していた。とても楽しそうである。
ダンブルドアは一頻り笑うと落ち着いた。
「そろそろ、寮の組み分けといこうかの」
「スリザリン!!!」
即決だった。
ダンブルドアが帽子を名無しの頭の上に翳した
瞬間、組み分け帽子が叫んだのだ。
スリザリンからは一拍遅れて拍手が起こった。
名無しは真っ直ぐにスリザリンのテーブルへ
と向かう。
偉大な魔法使いたちは、まだ知らなかった。
運命が彼女の手によって変えられることを。