フリリク
□楽しみな星印
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「…」
「…」
学校から拓人の家までの道。
それはもうすっかり見慣れた景色になってしまって、まるで自分の通学路のような感覚だ。
しかし、今日はやけに拓人の視線を感じる。
気のせい…じゃないよな、うん。だって横目でチラッと見たらバッチリ目、合ったし。
何も言わないから何もないんだろう、と済ますことのできる問題ではなく、嫌ではないがなんとなく気になって落ち着かない。
「…」
「…」
「……」
「…何?」
突き刺さる視線に耐え切れず隣を歩く拓人に問いかければ、「あ、いや…」と視線を逸らされた。
「私の顔、何かついてる?」
「いや、何も」
「じゃあ何?」
お決まりのパターンはやはり違ったようで、はっきりと否定される。
でも、顔に何かついているというわけでないのなら何だろう?
見られていたのだから聞く権利くらいあるはず。
そう理に適っているかよくわからないことを思いながら聞き返してみれば、拓人はえっと、と口を開いた。
「今度、ナマエの家に行ってみたいな、って思ってさ」
「え、私んち?」
「あ、でも今日俺の家が無理とか、俺の家に行くのが嫌とかそういうのではなくて、やっぱ興味あるし一度行ってみたいというかなんというか…」
誤解を生まないように頑張って説明してくれている拓人が可愛くてつい笑いをこぼせば、拓人も誤解は生じなかったとわかったのか安心したように笑った。
「今度、駄目か?」
「いや、駄目じゃないけど…拓人が私の家に来るとか何か恐れ多いかな」
「どういうことだ」
あんなお屋敷に住んでいる拓人を一般的なお家の我が家にご招待!なんて…ねえ。
拓人のことだから馬鹿にしたりとかそういうマイナスなことは絶対にしないだろう。
だから引け目を感じるとか恥ずかしいとかそういうのはないけれど、何か申し訳ないというか…
そう思い言ってみれば、拓人が首を傾げる。
「だって私んち何もないし」
「それでも構わないさ」
むしろ、俺の家みたいな感じだったら逆に驚く、なんて若干失礼な言葉が聞こえたが、それは聞かなかったことにしておこう。
「ほんとにそれでもいいの?」
「ああ。それに、ナマエのご両親にも挨拶しておきたいし…」
「それはちょっと早いんじゃないかな!?」
拓人らしいといえば拓人らしいのだが、親に紹介するとか挨拶とか恥ずかしいな。
こうなったら拓人が来る日は何が何でも出かけさせようか。
そんなくだらないことを考えていたら、拓人がもう一度、「いいか?」と聞いてきた。
「うん、もちろん。じゃあ…今度の土曜日あたりにでも来る?」
「ホントか?やった」
小さくガッツポーズして喜ぶ拓人に可愛いなあ、と呟けば、うるさい、と小突かれた。
楽しみな星印
スケジュール帳に書き込んだ☆が、なんだかどうしようもなく待ち遠しくなった。
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コレ、ほのぼの…?
話の傾向や神童というキャラクターにイマイチ疑問が残りますが、とりあえず1万打企画第1作目、できました!←
最後、白背景×黄色という目潰し色ですみませんorz
返品、書き直しいつでも受け付けます!
では、企画参加ありがとうございました!^^