読姫2
□無意識に…
5ページ/6ページ
「だって、なんか…、…アタシばっか世話になっとったら…ずるいやん。」
「…え?」
「あああああ!黙れ黙れ!!」
ヒメコはすさまじい勢いで走っていった。
ヒメコの姿が見えなくなったのを確認してから、ボッスンは呟いた。
「…『アタシばっか世話になってたらずるい』?…そんなことねーよ。オレだって、お前から色々貰ってるよ…」
☆
「うぅ〜ん…どないしよ。やっぱ微糖の缶コーヒーか?いや、ここはあえて、『じっくりコトコト煮込んだ闇鍋』か?…どんな味やねん…、しかも言いにくっ!」
チャリン
「うん、これがええわ。ええのんあったわ。」
ピッ
ガコンッ
取り出し口から缶コーヒーを取り出し、ヒメコは笑った。
「あぁ〜!!これすごいぬくいな!手に染みるわ〜。」
缶を頬に近づけ、温かさを楽しむ。
そして…
ちゅっ
「…へ?」
ヒメコは呆然とした顔で缶を見た。
「…あ…」
自分でした、まるで(ちょっと変態ちっくな)乙女の様な行動に少し顔を赤らめた。
今、自分は何をした?
無意識に…
缶の飲み口に、キスをしてしまった。
「…っ…!!」
ヒメコは、戸惑った。