読姫2

□無意識に…
5ページ/6ページ

「だって、なんか…、…アタシばっか世話になっとったら…ずるいやん。

「…え?」
「あああああ!黙れ黙れ!!」

ヒメコはすさまじい勢いで走っていった。

ヒメコの姿が見えなくなったのを確認してから、ボッスンは呟いた。

「…『アタシばっか世話になってたらずるい』?…そんなことねーよ。オレだって、お前から色々貰ってるよ…」







「うぅ〜ん…どないしよ。やっぱ微糖の缶コーヒーか?いや、ここはあえて、『じっくりコトコト煮込んだ闇鍋』か?…どんな味やねん…、しかも言いにくっ!」

チャリン

「うん、これがええわ。ええのんあったわ。」

ピッ

ガコンッ



取り出し口から缶コーヒーを取り出し、ヒメコは笑った。

「あぁ〜!!これすごいぬくいな!手に染みるわ〜。」

缶を頬に近づけ、温かさを楽しむ。


そして…


ちゅっ

「…へ?」

ヒメコは呆然とした顔で缶を見た。

「…あ…」
自分でした、まるで(ちょっと変態ちっくな)乙女の様な行動に少し顔を赤らめた。


今、自分は何をした?


無意識に…



缶の飲み口に、キスをしてしまった。

「…っ…!!」

ヒメコは、戸惑った。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ