読姫2

□無意識に…
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「…ん?」

徐々に、こちらに近づいてくる足音に気づき、ヒメコは顔をあげた。

「…って、何でアンタしか居らんのん。」

どこに居ても、その赤いツノ帽子は目立ち、存在を主張する。
存在感が薄く、いつも空気のように扱われているボッスンにはとても良いアイテムだ。
ゴーグルに少し雪が積もっていて、苦笑してしまった。

「あ、さっき何か言うた??」

「…え?」

「こっちに来る時、何かボソッて言うとったやん。アタシに言っとったんやろ??」
「えええ!?きき聞こえてた!??」

「別に聞こえんかったけど、何でそこでそんなあわてんねん。…さては、悪口でも言うとったんか…??

「いや絶対言ってない…って、そこで薫風丸をかまえるなぁー!!」
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